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51

--教会--

貧乳「それより……なんか違和感とかない?」

盗賊「へ?別になにも変わらないけど……あ、左目が見えない!!……ってなんだぁ、包帯が巻いてあるだけじゃないの」

賢者「あはははは」

踊子「あはははは、はは、は」

盗賊「ぺろんとね!……ん?見えない……あれ?」

賢者「落ち着いて聞いてくれ盗賊君」

盗賊「うん……なに?」

賢者「まずだな、戦闘の結果、生き残ったのは踊子君だけだった」

盗賊「うん。らしいね」

賢者「それでだ。踊子君は優先順位的にも貧乳さんをまず教会に連れて行ったんです」

踊子「結構バラバラになってたから大変だったんですよぉ」

盗賊「まぁ当たり前だよね。貧乳さんあってのパーティだもん」

賢者「で、次に復活した貧乳さんと踊子君とで死体を回収しにいった」

盗賊「ふむふむ」

賢者「次に誰を選んだのかということなんだが、本来は僕と盗賊君を運ぼうとしたらしい」

盗賊「ほうほう」

賢者「だけれど君の体はぐっちゃぐちゃになって飛散していたんだ。悲惨なまでに」

盗賊「ダジャレっすか」



52

--教会--

賢者「そして肉片をかき集めるのがだるいということで彼女達は」

盗賊「おい」

賢者「まずは僕を蘇生して、僕に修復魔法を使わせようと考えたんだ」

盗賊「さっきのはスルーでいいんですか?」

賢者「しかしどちらかが僕を運んだとして、空いてるもう一人が闘士君を運ぶのは不可能ですよね?」

盗賊「闘士デカイからなぁ」

闘士「……うほっ」

賢者「それで両者の負担が公平になるようにと二人で闘士を運んだらしい」

盗賊「なんで、私だけ疲れるのやだ~、みたいな展開になってんだよ」

賢者「さぁ段々と日も暮れてまいりました。次こそ死体運びも終わると思った刹那!」

盗賊「……ごくりっ」

賢者「踊子君はお風呂に行ったそうです」

盗賊「ふざけんなよ!!」



53

--教会--

踊子「もう限界だったんですよ~wwだってこの村からダンジョンまで何キロあると思ってるんですかぁ」

賢者「そして貧乳さんも踊子君に拉致られた」

貧乳「……てへっ!」

盗賊「確信犯だ!!絶対同意の元だ!!」

賢者「しかし、闘士君は男だった」

盗賊「お、おお?」

闘士「おで!」

賢者「闘士君は一人暗い中ダンジョンまで戻った。闘士君ほどの体格なら僕ら二人分の死体など軽々と運べる」

盗賊「おお!!」

賢者「しかし盗賊君の死体は悲惨(笑)だったのでかき集め切れず僕の死体だけ持って帰って来たらしい」

盗賊「本当に悲惨だよ!!」

賢者「……蘇生され、意識を取り戻した僕は闘士君のベッドの中だった……」

盗賊「……ごめん」



54

--教会--

賢者「……いいんだ。そして悪夢の一夜を過ごした後、つまり今日」

盗賊「半日ほったらかされてたんか俺の死体は!!」

賢者「みんなで回収しにいったら……そこには……何かをついばむオオカミの群れが!!」

盗賊「いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

賢者「とりあえず掻き集めたさ!ばっちぃの覚悟で!!」

盗賊「バッチぃ言うな!!」

賢者「何匹かのオオカミの腹開けて回収したさ!!手探りで!!」

盗賊「グロイよさっきから!!」

賢者「だけれど、探せど探せども左目が見つから無い!!」

盗賊「そんな理由だったのかよおおおおおおおおお!!」



55

--教会--

盗賊「ひどいっ!!ひどすぎるよっ!!」

貧乳「あ、いやでもっ、眼帯の盗賊って漫画みたいでかっこいいとおもうゾ☆」

盗賊「理由によるよっ!!」

賢者「……ちなみに他にいつもと違うとこないですか?」

盗賊「あぁん?!……うーん、いや別になんともないとおもうけど」

踊子「それはよかった~」

盗賊「ん?俺確か12個スキル持ってたはずだけど10個しか思い出せない。おっかしぃな。ど忘れしちゃったww」

貧乳、賢者、闘士、踊子(脳の一部かぁ……)

盗賊はスキルを二つ忘れた。



56

--宿屋--

貧乳「そういやはい、コレ」

盗賊「へ?なにこれ」

貧乳「戦利品。マンティコアの腹から出てきたの」

盗賊「なんか立派な本みたいだけど」

貧乳「まぁ……有効に使いなさい」

盗賊「ふぅん……」

ペラ

盗賊「過去読みの書?」

貧乳「って、いつまで名前が貧乳のままなんだよ私は!!」



57

--宿屋--

盗賊「なになに、この本の最初のページに、過去を知りたい人の毛髪を挟むとその人の過去が読めます?うっさんくさ~……なんて言いませんよ剣と魔法の世界ですから」

盗賊はベッドに腰掛ける。

盗賊「丁度いいや、誰かの縮れた毛がベッドに落ちてる。まぁ俺のだと思うが試してみるにはちょうどいいか」

盗賊は毛を挟んでページをめくった。
適当に開いたページの日付は盗賊達が西の王国に来た日を示していた。

盗賊「お、あの日か。懐かしいなぁ、どれどれ」

『いいのか、ホイホイついてきちまっ(ry』

それは紛れもない、闘士の過去だった。
闘士が異常な性癖に目覚めた日の出来事が、赤裸々に、克明に、細部に渡って、かつ大胆に描写されていた。



盗賊がその日に食べた物を全て吐き出したとしても、誰が文句を言えよう。



58

--宿屋--

盗賊「ひどいBL小説を見た……次から気をつけよう」

盗賊は髪の毛を採取するべく、宿屋を歩きまわることにした。

盗賊(いやでも……これはプライバシーの侵害だな?……誰にだって知られたくない過去があるだろうし)

本を色んな角度から眺める。

盗賊(なんでこんなアイテムがあるんだろう)

勇者「あぁいたか盗賊」

盗賊「あ、勇者さんおはようございます。うわ私服verだ」

勇者「……もうあんだけ知れ渡ってしまったからな。戦闘や移動時以外まで鎧を着る必要は無いと思って」

盗賊「……可愛いです」

勇者「は、はぁ!?何言って」

盗賊「女子高生みたいです」

勇者「……もうそんな歳ではないんだがな」

盗賊「え?いくつなんですか?」

勇者「女に歳を聞くな!!」



59

--宿屋--

勇者「三日後だ」

盗賊「へ?何がです?」

勇者「最終決戦だ。三日後に魔王城に乗り込むぞ」

盗賊「あぁ了解しました。ついに魔王城かぁ……ついにというか、もうというか」

勇者「それまで体を十分に休めておけよ」

盗賊「あーい」

その日、みんなで川原へ行ってBBQをした後、カラオケ大会をした。



60

--宿屋--

盗賊「髪の毛落ちてる……」

盗賊(どうしようかな、誰のだかわからないしな。でも暇だしな。家にいたころはパソコンがあったから一日中ボーっとすごせてたけど、

なにも無いと一日が長いんだよなぁ……えーい!みてしまえええ!!!!)

盗賊は誰のものともわからない毛髪を本に挟み、最初のページを捲った。 

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