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11
--北の森--
ザザザザっ
追手の二人はアマゾンに追いついた。
アマゾン「へろへろ~」
?「……」
??「やっぱり……。でも殺されてなかったのは不幸中の幸いですね。アマゾン君」
?「いや、殺されていた方が楽だったかもしれん」
??「ぶ、物騒ですねぇ。まさか貴方がそんなことを言う方だったとは思いませんでしたよ」
?「もちろん蘇生可能範囲で、という意味だ。死んでいれば蘇生魔法で復活させればいい。だが気絶を治す魔法は無い。やられた」
??「あ!なるほど……。どうしますか?アマゾン君を置いて彼らを追いますか?」
?「魔法では無理だが、物理的になら気絶状態を治せるかもしれん」
そう言って追手の一人は拳に力を込めた。
??「うわー。Xさん以外と鬼畜ですね。僕はそんなの見たくないので木陰で耳を塞いでいますね」
?改めX「私はノーマルだ。シン、アマゾンの体を支えてろ」
?改めシン「うぅ……暴力系は嫌いなんですよぉ」
--北の森--
ザザザザっ
追手の二人はアマゾンに追いついた。
アマゾン「へろへろ~」
?「……」
??「やっぱり……。でも殺されてなかったのは不幸中の幸いですね。アマゾン君」
?「いや、殺されていた方が楽だったかもしれん」
??「ぶ、物騒ですねぇ。まさか貴方がそんなことを言う方だったとは思いませんでしたよ」
?「もちろん蘇生可能範囲で、という意味だ。死んでいれば蘇生魔法で復活させればいい。だが気絶を治す魔法は無い。やられた」
??「あ!なるほど……。どうしますか?アマゾン君を置いて彼らを追いますか?」
?「魔法では無理だが、物理的になら気絶状態を治せるかもしれん」
そう言って追手の一人は拳に力を込めた。
??「うわー。Xさん以外と鬼畜ですね。僕はそんなの見たくないので木陰で耳を塞いでいますね」
?改めX「私はノーマルだ。シン、アマゾンの体を支えてろ」
?改めシン「うぅ……暴力系は嫌いなんですよぉ」
12
--北の森--
アマゾン「はて?なぜだかやたらと顔がいたいきー。なんか奥歯ががたがた言ってる気がするきー」
シン「はははは……」
X「45発目で起きたからな」
アマゾン「?なんの話だきー?」
シン「気にしないほうがいいいと思いますよアマゾン君」
アマゾン「あ、あっー!!モンスターが完全に人語を喋ってるきー!?」
シン「ぼ、僕はモンスターじゃないですよ!!一緒に来てたシンですってば!!」
アマゾン「あ?……あー、シンだきー。なんだ、脅かさないできー」
シン「……すごく心が傷ついてしまったんですけども」
X「さて随分時間を食ってしまったな、追うぞ。……ん?」
シン「どうかしましたか?Xさん」
X「……」
Xはしゃがみ込んでアマゾンの座ってる場所を凝視し始めた。
アマゾン「どうしたきー?おれっち何か踏んでるのかきー?」
アマゾンが慌ててそこからどくと、
X「ばっ!!やめろ!!」
ドオオオオオオオオオオオン!!
13
--北の森--
盗賊「ん、どうやらちゃんと発動したみたいだな。爆弾罠」
勇者「……」
盗賊「とはいえあいつらは人造勇者、大したダメージも無いはずだ。先を急ごう、勇者」
二人は雪道を行く。
シュゥゥウウウウ
X「くっ……二人とも、大丈夫か?」
シン「は、はい。Xさんが咄嗟に水属性障壁魔法を使ってくれなかったら危なかったかもしれません」
X「アマゾン?」
アマゾン「う、うぐう」
シン「!!……アマゾン君は一番罠に近かったですからね」
見るとアマゾンの左足が吹き飛んでいた。
X「アマゾン、さっさといつものをやれ」
Xがアマゾンを見る視線は冷たい。
14
--北の森--
アマゾン「ま、待ってきー。今生やすから急かさないできー」
シン「え?生やすって」
アマゾン「ん、んんんん~、よいしょおおおおおおお!!」
にゅるるるん
アマゾンの左足が生えてきた。
シン「え、ええすげぇ!!なんですかそれは!!」
X「そういえばお前は見るの初めてだったか。これが蜥蜴亜人の特性というやつだ。致命的な個所で無ければ体力と魔力を消費するだけで再生できる」
シン「すごい……まさに蜥蜴」
アマゾン「どちらかというとピッコロきー」
X「自分で言うな。急ぐぞ、随分距離をあけられてしまった。手分けして探すしかないな」
シン「あ、そのことなんですけど」
シンが挙手をして発言する。
シン「もうすでに僕の眷属が彼らを追っています」
15
--北の森、山小屋--
盗賊「ふぅ……かなり引き離したし人避けの札も貼った。ここで少し休んでいこう」
勇者「うん……」
盗賊「……」
勇者「……」
盗賊はバッグからマッチを取りだすと、火を付けて暖炉に放り込んだ。
ぼおお
盗賊「……なぁ、勇者」
勇者「うん?」
盗賊「まだ、生きようとは思ってくれないのか」
勇者「……」
勇者は膝を抱え込む。
勇者「……冷静に考えたら、私は死ぬべきだ」
16
--北の森、山小屋--
盗賊「……王様の言っていることが全部正しいわけじゃないと思うぜ。本当に勇者がこれから」
バンっ!!
勇者は左手で床を叩いた。木でできた床は簡単に穴があいてしまう。
盗賊「っ」
勇者「……魔王になるかわからない、って言うの……?ははは……」
盗賊「勇者……」
勇者「盗賊さぁ……この角が見えないの!?それに私がやったこと忘れちゃったの!?一度の攻撃で何万人も死んだんだよ……っ!」
盗賊「……ぐ」
勇者「なるかならないかで言ったらならないよ!だってもう、私魔王だもん!!」
17
--北の森、山小屋--
盗賊「ごめん」
勇者「なんで君はちゃんと現実見ないのよ!?もうなにしたって無駄なのよ!!私はいっぱい人殺したし、世界中が私の敵なのっ!闘士は死んじゃったし、他のみんなも……私から逃げてった!!だからもう……もう私、無理なのにぃ」
ひざを抱えて大声で泣き始める勇者。
盗賊「……勇者」
盗賊は勇者の肩に触れようとして、やめた。
盗賊(このところの勇者は精神が不安定だな……無理もないんだけど……それに)
勇者「うっ、うぅ……」
盗賊(勇者を追い詰めているのは、今、苦しめているのは……俺なんだ)
盗賊は一度あげた腰を静かに下ろした。
50cm先で泣いている少女に何もすることができない。
18
--北の森、山小屋--
盗賊「勇者……お湯がわいたから体拭かないか?もう三日も水浴びもしてないから気持ち悪いだろ?」
勇者「……うん」
勇者が落ち着いてきた頃合いを見計らって盗賊は切り出した。
勇者「……」
盗賊「?」
勇者「……あっちむけ」
盗賊「あ、ごめん」
盗賊は慌てて後ろを向いた。
勇者「……」
しゅる
盗賊「~~」
しゅる
衣擦れ。
ちゃぷ
そしてタオルを桶のお湯につける音。
19
--北の森、山小屋--
盗賊「……」
それにしても、と盗賊は思う。
果たして自分の行動は正しかったのか。勇者が苦しむ時間を悪戯に増やしてしまっただけではないのか、と。
盗賊(そんなことはないと思いたい。こうしなければあの時、勇者は死んでいたんだから)
ちゃぷ
盗賊(でも……いずれは魔王に)
そう、すでに、ではなく、いずれ。
盗賊がそう確信したには理由がある。
盗賊(勇者が本当に魔王になったのならば、俺は既に魔族になっているはずなんだ)
ちゃぷ
盗賊(まだ無理じゃない。まだ何か手段があるかもしれない……最後のその瞬間まで俺は諦めない)
勇者「……盗賊」
盗賊「ん?あ、あぁ、終わったか?」
勇者「終わってない」
盗賊「?じゃなんで」
勇者「背中……拭いて」
盗賊「……」
まさかのトラブル的展開なの?
20
--北の森、山小屋--
ごしごし
盗賊「勇者の生背中、南の王国でオイル塗った時以来だ」
勇者「生背中って」
生がつくだけでなんか生々しいよ、と勇者は言う。
盗賊「生勇者の生背中の生柔肌」
勇者「無駄につけすぎた!」
盗賊「生乳……あ、ごめん」
勇者「牛乳みたいだ……ってなんで謝ったの!?」
盗賊「なんでこんなにすべすべなんだろう……垢とか全くないし」
勇者「垢とか失礼なこと言うな!そんなの魔力に変換してるし!」
盗賊「ん?そんな便利なことできたのか……」
ん?
盗賊「じゃあ……こんなことする必要なかったり?」
勇者「……い、いいの!」
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--北の森--
アマゾン「はて?なぜだかやたらと顔がいたいきー。なんか奥歯ががたがた言ってる気がするきー」
シン「はははは……」
X「45発目で起きたからな」
アマゾン「?なんの話だきー?」
シン「気にしないほうがいいいと思いますよアマゾン君」
アマゾン「あ、あっー!!モンスターが完全に人語を喋ってるきー!?」
シン「ぼ、僕はモンスターじゃないですよ!!一緒に来てたシンですってば!!」
アマゾン「あ?……あー、シンだきー。なんだ、脅かさないできー」
シン「……すごく心が傷ついてしまったんですけども」
X「さて随分時間を食ってしまったな、追うぞ。……ん?」
シン「どうかしましたか?Xさん」
X「……」
Xはしゃがみ込んでアマゾンの座ってる場所を凝視し始めた。
アマゾン「どうしたきー?おれっち何か踏んでるのかきー?」
アマゾンが慌ててそこからどくと、
X「ばっ!!やめろ!!」
ドオオオオオオオオオオオン!!
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--北の森--
盗賊「ん、どうやらちゃんと発動したみたいだな。爆弾罠」
勇者「……」
盗賊「とはいえあいつらは人造勇者、大したダメージも無いはずだ。先を急ごう、勇者」
二人は雪道を行く。
シュゥゥウウウウ
X「くっ……二人とも、大丈夫か?」
シン「は、はい。Xさんが咄嗟に水属性障壁魔法を使ってくれなかったら危なかったかもしれません」
X「アマゾン?」
アマゾン「う、うぐう」
シン「!!……アマゾン君は一番罠に近かったですからね」
見るとアマゾンの左足が吹き飛んでいた。
X「アマゾン、さっさといつものをやれ」
Xがアマゾンを見る視線は冷たい。
14
--北の森--
アマゾン「ま、待ってきー。今生やすから急かさないできー」
シン「え?生やすって」
アマゾン「ん、んんんん~、よいしょおおおおおおお!!」
にゅるるるん
アマゾンの左足が生えてきた。
シン「え、ええすげぇ!!なんですかそれは!!」
X「そういえばお前は見るの初めてだったか。これが蜥蜴亜人の特性というやつだ。致命的な個所で無ければ体力と魔力を消費するだけで再生できる」
シン「すごい……まさに蜥蜴」
アマゾン「どちらかというとピッコロきー」
X「自分で言うな。急ぐぞ、随分距離をあけられてしまった。手分けして探すしかないな」
シン「あ、そのことなんですけど」
シンが挙手をして発言する。
シン「もうすでに僕の眷属が彼らを追っています」
15
--北の森、山小屋--
盗賊「ふぅ……かなり引き離したし人避けの札も貼った。ここで少し休んでいこう」
勇者「うん……」
盗賊「……」
勇者「……」
盗賊はバッグからマッチを取りだすと、火を付けて暖炉に放り込んだ。
ぼおお
盗賊「……なぁ、勇者」
勇者「うん?」
盗賊「まだ、生きようとは思ってくれないのか」
勇者「……」
勇者は膝を抱え込む。
勇者「……冷静に考えたら、私は死ぬべきだ」
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--北の森、山小屋--
盗賊「……王様の言っていることが全部正しいわけじゃないと思うぜ。本当に勇者がこれから」
バンっ!!
勇者は左手で床を叩いた。木でできた床は簡単に穴があいてしまう。
盗賊「っ」
勇者「……魔王になるかわからない、って言うの……?ははは……」
盗賊「勇者……」
勇者「盗賊さぁ……この角が見えないの!?それに私がやったこと忘れちゃったの!?一度の攻撃で何万人も死んだんだよ……っ!」
盗賊「……ぐ」
勇者「なるかならないかで言ったらならないよ!だってもう、私魔王だもん!!」
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--北の森、山小屋--
盗賊「ごめん」
勇者「なんで君はちゃんと現実見ないのよ!?もうなにしたって無駄なのよ!!私はいっぱい人殺したし、世界中が私の敵なのっ!闘士は死んじゃったし、他のみんなも……私から逃げてった!!だからもう……もう私、無理なのにぃ」
ひざを抱えて大声で泣き始める勇者。
盗賊「……勇者」
盗賊は勇者の肩に触れようとして、やめた。
盗賊(このところの勇者は精神が不安定だな……無理もないんだけど……それに)
勇者「うっ、うぅ……」
盗賊(勇者を追い詰めているのは、今、苦しめているのは……俺なんだ)
盗賊は一度あげた腰を静かに下ろした。
50cm先で泣いている少女に何もすることができない。
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--北の森、山小屋--
盗賊「勇者……お湯がわいたから体拭かないか?もう三日も水浴びもしてないから気持ち悪いだろ?」
勇者「……うん」
勇者が落ち着いてきた頃合いを見計らって盗賊は切り出した。
勇者「……」
盗賊「?」
勇者「……あっちむけ」
盗賊「あ、ごめん」
盗賊は慌てて後ろを向いた。
勇者「……」
しゅる
盗賊「~~」
しゅる
衣擦れ。
ちゃぷ
そしてタオルを桶のお湯につける音。
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--北の森、山小屋--
盗賊「……」
それにしても、と盗賊は思う。
果たして自分の行動は正しかったのか。勇者が苦しむ時間を悪戯に増やしてしまっただけではないのか、と。
盗賊(そんなことはないと思いたい。こうしなければあの時、勇者は死んでいたんだから)
ちゃぷ
盗賊(でも……いずれは魔王に)
そう、すでに、ではなく、いずれ。
盗賊がそう確信したには理由がある。
盗賊(勇者が本当に魔王になったのならば、俺は既に魔族になっているはずなんだ)
ちゃぷ
盗賊(まだ無理じゃない。まだ何か手段があるかもしれない……最後のその瞬間まで俺は諦めない)
勇者「……盗賊」
盗賊「ん?あ、あぁ、終わったか?」
勇者「終わってない」
盗賊「?じゃなんで」
勇者「背中……拭いて」
盗賊「……」
まさかのトラブル的展開なの?
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--北の森、山小屋--
ごしごし
盗賊「勇者の生背中、南の王国でオイル塗った時以来だ」
勇者「生背中って」
生がつくだけでなんか生々しいよ、と勇者は言う。
盗賊「生勇者の生背中の生柔肌」
勇者「無駄につけすぎた!」
盗賊「生乳……あ、ごめん」
勇者「牛乳みたいだ……ってなんで謝ったの!?」
盗賊「なんでこんなにすべすべなんだろう……垢とか全くないし」
勇者「垢とか失礼なこと言うな!そんなの魔力に変換してるし!」
盗賊「ん?そんな便利なことできたのか……」
ん?
盗賊「じゃあ……こんなことする必要なかったり?」
勇者「……い、いいの!」
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