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11

--地下牢獄--

勇者「そん……な」

大賢者「お前はじきに……いやすでに、お前の体は魔王化が始まっているはずなんだ」

勇者「っっ変わってる所なんてどこもない!!私は……私は……」

大賢者「許せ……世界の平和のためなのだ」

勇者「……っうあ……」

勇者は大粒の涙をこぼす。

大賢者「せめて……人として葬ってやる。処刑執行者の名を言え。私を怨むのなら私を指名しても構わない。それとも苦楽を共にした仲間に引導を渡してもらうか……?」

勇者「っひ……!!」

どうしてこンナ




12

--玉座の間--

王様「魔王の雛は同族を狩るというわけだ……お前達が倒した魔王も……30年前は勇者だった男だ」

盗賊「!!」

王様「昨日のように思い出す……大勇者、大盗賊、大魔法使い、大賢者、そして私の五人で世界中旅をした」

闘士「……」

王様「お前達、サキュバスとワーウルフも打ち取ったのであろう?魔族……側近は勇者パーティの変化した姿だからな」

賢者「えっ!?……ならその話が本当なら王様はなぜ……」

王様「魔王を倒した後の旅に、私と大賢者は行かなかったのだ……というか少しずつ狂っていく大勇者を見ていられなかった……」

--過去--

大魔法使い「アンタは国に帰んな。お父上の後を継ぐんだろ?」

大剣士「!!ふ、ふざけるな!!あいつがこんな状態なのに故郷に帰れるか!!」

大盗賊「……俺達があいつに付いている。お前はお前のできることをしろ」

大賢者「……大剣士」

大勇者「ほーれ、行ッチまえョ!!オマエらなnカいなクタッて俺は困りゃシナいんダカらよっww」



13

--地下牢獄--

ズキ

勇者「ふぁ、ぅぐっ……ひっ」

大賢者「……辛いだろうが三日後だ。誰を指名するか考えておいてくれ」

そう言うと大賢者は地下牢獄から姿を消した。

勇者「う……うあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

ズキズキズキズキズキズキ!!

勇者は大賢者がいなくなった瞬間、力の限り咆哮した。

なんで、なイタんでイタイなんでこれkらやっイタイとイタイイタ!!

勇者「……っふ!」

ポタリ

なにか生温かい水が頬を伝って落下する。
決して涙では無い。涙はここまでドロッとしていない。

勇者「ひっく……」

地下牢獄は雨漏りがしているらしく、水たまりがあった。
そこに映る自分の顔。

勇者「………………あは、あはハハ、は」

まるで昔みた男の子のように、勇者の頭部からは角が二本つきでていた。



14

--玉座の間--

王様(あの頃にそれを知っていれば少しは変わったのだろうか……)

王様「推測にすぎないが、完全に魔王化した勇者は周囲の人間の体組織を作り変えてしまうのだろう。魔王の側近はどこか面影を残しながらも、完全な魔族になっていたからな」

賢者「……ずっとその繰り返しだったんですか?今まで!!勇者が魔王を倒して、勇者が魔王になって、また勇者が!!」

王様「そうだ。そしてこれは仕組まれたものなのだ。」



15

--玉座の間--

王様「なぁ賢者よ、空を飛べると思うか?」

賢者「?……魔法を使ってもいいのでしたら誰でも飛べると思いますが」

王様「違う。もっと上だ。もっと暗き空だ。あの星達が浮かぶ所だ」

賢者「何をおっしゃっているのかよくわかりません」

王様「そうか。信じられないことだがな、古代人はあの星の海まで行くことができたのだ」

賢者「……行く?とは?」

王様「まぁわからぬのも無理はないか。この世界の仕組みはな、人という種を極めつくした古代人が作り上げたのだ」



16

--玉座の間--

王様「神の如き存在に至った人が何を思ったのかは知らぬ。わからぬ。理解できぬ。わかっていることは魔王という抑止力を意図的に作りあげ、我々の文明の発展を妨げているということ!!」

賢者「な、何を言ってるのかさっぱりわかりません。先ほどの……勇者さんの話でさえ突拍子もない話だと言うのに……」

王様「うぅむ……そうだな。ともかくだ。人が次に進むためには、勇者と魔王のサイクルを止めねばならないのだ」

盗賊「……次の勇者が生まれる前に……次の新しい勇者が、魔王になった勇者さんと接触する前に……勇者さんを殺す……気か」

王様「その通りだ」



17

--玉座の間--

盗賊「何をいってやがる!!そんなこと認められるわけがないだろ!!」

王様「……元はと言えばそのために君らは私に募集されたのだぞ」

賢者「!?」

王様「勇者因子を持たぬ、真の人間による魔王殺し。サイクルを打ち切る唯一の方法、それをするために君らは集められたのだと言っている」

賢者「勇者を募集しているというのは嘘で……勇者のお供を募集してたと言っていたのは」

王様「真実は募集内容と一緒だ。次代の魔王を殺してくれる、人間による勇者を求めたのだ」



18

--玉座の間--

盗賊「俺らなんかを募集する意味なんてないだろ!!人間なんていくらでもいるじゃないか!!」

王様「魔王を殺した勇者は新しい世界の希望になる。そして私が求めた者は、底辺。ニート、引き籠り、少年犯罪者、いじめられっこ。彼らが一躍頂点に立てば、周りの人間は自分にもできる、私にも出来ると活気づく。つまりは新時代の原動力になってもらいたかったのだ」

賢者(王様は……本気で勇者を募集していた……)

王様「そして同じ釜の飯を食べた間柄ならば、勇者の癖や戦闘パターンも熟知していよう。もし仮にあれが暴れても……」

踊子「……っ」

王様「……今日すぐに答えが欲しいわけではない。だが三日後だ。三日後に勇者を……だからそれまでに返事をくれ」

盗賊「……」

賢者「……」

王様「今日話した内容を知る者はこの城でも限られている。君達だから話したということを忘れずにな」

賢者「……はい」

盗賊達は玉座の間を後にする。

王様「私だって……他の手段があればこんなことはしたくないのだ」

ガコォオン

玉座の間のドアが閉まった。



19

--城--

盗賊「あ!!そうだ!勇者さんに会わなきゃ!!」

踊子「……そうですね、きっとさびしくて泣いちゃってると思います」

賢者「……うん」

闘士「ゆ、ゆしゃさん、どこ、ですか?」

闘士は城にいた兵士に勇者の場所を聞く。

兵士D「え、えっとそれは、すいませんがお答えできません。許可がおりないのです」

踊子「なんでですか~……わたし達ずっと旅してきた仲間だったんですよぉ?世界の平和を守るために命を張って」

兵士D「あ、いや、ですから、わたくしのようなしがない兵士にそんなことを言われても……」

大賢者「いいだろう。私も今会って来た所だ」

兵士U「あ、大賢者様!!」

大賢者「通してやってくれ。王様には私から言っておく」

兵士D、U「は、はっ!!」

大賢者「しかし時間は20分きっかりだ。そして兵士Uお前もついていけ」



20

--城--

踊子「20分だけとか少ないです~。しかもスパイ付きとか。天下の大賢者様ともあろう方がちっちゃいですぅ」

大賢者「世界単位の問題なんだ、仕方なかろう?それに私のは極大だ。試してみるか?」

闘士「うっ!……」

盗賊「さすがに自重したか」

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