SSとか小説を載せるかもしれません。
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1
--玉座の間--
王様「おお 勇者一行! 我が募集に応じた者達よ! そなた達が来るのを待っておった」
盗賊「王様どういうことですか!!なんで勇者さんが拘束されなくちゃならないんですか!!」
賢者「僕達は魔王をちゃんと討伐してきたんですよ!?捕まる理由なんて何もないっ!!」
闘士「ふ、ふご!!」
王様「はははwwまぁそう熱くなるな。まずはそうだな。皆の者、魔王討伐御苦労であった!!」
踊子(……なん……なのよ!!)
--玉座の間--
王様「おお 勇者一行! 我が募集に応じた者達よ! そなた達が来るのを待っておった」
盗賊「王様どういうことですか!!なんで勇者さんが拘束されなくちゃならないんですか!!」
賢者「僕達は魔王をちゃんと討伐してきたんですよ!?捕まる理由なんて何もないっ!!」
闘士「ふ、ふご!!」
王様「はははwwまぁそう熱くなるな。まずはそうだな。皆の者、魔王討伐御苦労であった!!」
踊子(……なん……なのよ!!)
2
--玉座の間--
盗賊「……王様。ちゃんと説明してください。でないと」
盗賊達を除くと、今玉座の間には王様とその横にいる受付、それと入口の所にいる兵士二名だけだった。
不自然にも武器は没収されていない。盗賊はナイフをいつでも取り出せるように、神経を張り詰める。
踊子「王様~?仮にもわたし達は魔王を倒してきたんですよ~……不用心すぎますね」
受付「!!王様に向かって口が過ぎます!!」
王様「はっはっは!!なかなかどうして。雇い主に向かって牙をむくとはやりおる」
盗賊「……王様」
王様「にらむな。今答えてやる。そうさなぁ、何から教えたらよいものか……ふむ、魔王とは話しをしたかな?」
賢者(質問したのはこちらだというのに)「えぇ、少しではありますが」
王様「世界のシステムについてヤツは話したか?」
盗賊「いいえ」
王様「そうか……」
3
--地下牢獄--
ある男が石でできた階段を降りていた。彼の足元を蝋燭の光が照らす。
カンカンカンカンカン
そして地下牢へと行きついた。
勇者「……?」
勇者は鎖で両手を拘束され牢に繋がれている。
その男は勇者のいる牢獄の前で足を止めると、
大賢者「久しいな……我が弟子よ」
勇者「大賢者……様」
4
--地下牢獄--
大賢者「使命を無事果たせたのだな……礼と賛辞の言葉を贈ろう」
大賢者は頭を下げた。
勇者「はい……しかしこれはどういうことなんですか?」
大賢者「……うむ。それなのだがな」
5
--玉座の間--
王様「それは正直めんどくさいのぉ。お前達はまだまだ知らないことが多いようだし」
盗賊「……」
のらりくらりとした王様の態度に盗賊は確かな怒りを感じた。
自分でも単純だと思う。
その単純な思考故に盗賊は
この国を敵に回しても勇者を助けると決心した。
ス
受付「王様への狼藉は許しません」
腰のナイフケースに手を伸ばした筈だったのだ。
それがなぜか、盗賊の右腕の肘から先は宙を舞っている。
盗賊「っ!!」
王様の横にいたはずの受付は、いつのまにか盗賊の首にナイフを当てている。
6
--玉座の間--
踊子「な!あんた!」
受付「魔王を倒したからなんなのですか?……今は王様のお話を聞くべきだと私は思います」
ブシュッ
盗賊の傷口から夥しい量の血が噴出する。
王様「あぁもう、賢者よ、盗賊の手当てをしてやれ。受付もやめるのじゃ。私は話をするためにこの者らをここへ呼んだのだ」
受付「はっ!申し訳ございません」
賢者は切断された腕を拾い、傷口にあてがう。
王様「それにしても盗賊。今のことは不問にするが、私に斬りかかろうとしたな?」
盗賊「……っ」
王様「お前達を思って言うのだがやめた方がいい。もし今お前が武器を掴んでいたら、この者がものの数秒で」
受付「お言葉ですが王様、『秒』はかかりません」
王様「あ、そう?そりゃすまなんだww」
盗賊「……!」
賢者「盗賊君!動かないでください!!」
7
--玉座の間--
王様「とはいえだ、私が焦らしたせいで、なんていう理由で優秀な部下を失うのは非常によろしくないな。では担当直入に勇者を拘束した理由を説明しよう」
盗賊(……こいつ……わざと俺に斬りかからせようとしたな……あの受付の実力を先に見せておいて、俺達の行動を制限するために!!)
踊子(護衛はあいつ一人で十分……ってことなのね)
王様「まぁつまりはだ。簡単に言ってしまえば……」
大賢者「お前が拘束された理由はだな……」
勇者募集してたから王様に会いに行った
王様「勇者は次代の魔王なのだ」
大賢者「お前はすでに魔王だからだ」
第三部
勇 者
8
--玉座の間--
盗賊「何を……言ってるんだ」
賢者「冗談にもほどがあります!勇者さんはただの人間ですよ!?」
王様「ただの、ではない。そして厳密に言うと人間でもない」
踊子「……」
王様「踊子よ、多分そなたしか知らぬと思うから言うのだが、勇者因子について皆に喋ったことは?」
踊子「!?っっ……ありません」(……まさか)
王様「まぁ常識的に考えればそうよの。勇者因子というものはな、勇者が勇者足りうるために必要なものなのだ。それは同時代に一人だけ発現する」
盗賊(……勇者さんの過去で聞いたな……)
王様「研究の結果わかったことなのだが、勇者因子は別名、対魔因子とも呼べるもので、モンスター、魔族、そして魔王に対して絶大な力を発揮する」
踊子「……」
9
--地下牢獄--
勇者「っっ!!」
大賢者「……ショックか?」
勇者「な、何を言ってるのです!?私は人間です!!」
ズキ
大賢者「……お前に魔王を倒させるために、あえて伏せていたことが山ほどある。お前は……いや、まず謝ろう、すまなかった」
勇者「何を言ってるんだ!!!!」
ガチャガチャガチャ!!
勇者は鎖で繋がれているにもかまわず暴れ狂う。
勇者「謝るな……謝るなよ……お前らが勇者だというから、戦えというから私は!!」
大賢者「……すまなかったな」
10
--玉座の間--
王様「つまり勇者というものはだな、勇者因子という特別な力を持つ一世代限りの突然変異種なのだ。いくら外見は愛らしい人であっても、そのステータスを見ればわかるように人を遥かに超えた怪物なのだ」
盗賊「……怪物じみているから魔王のようなものだと言いたいのか?」
王様「違う。考えても見るがいい。魔王なんていう強大な存在を倒す者……確か古代の言葉で毒牙……ええとなんだったかな」
受付「毒を以て毒を制す、でございますか?」
王様「あぁそれだ。最も、火は火で治まる、の方が字的によかったかもしれん」
賢者「……」
王様「勇者因子はな、どうも魔王と接触すると変質するらしい。そして考えが改められた。私達が勝手に勇者因子と名付けて呼んでいたものは……魔王因子の初期状態だったのだ……とな」
盗賊「それが……本当なら」
王様「そう、魔王というのは勇者の発展した姿というわけだ」
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