忍者ブログ
SSとか小説を載せるかもしれません。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



--玉座の間--

王様「おお 勇者一行! 我が募集に応じた者達よ! そなた達が来るのを待っておった」

盗賊「王様どういうことですか!!なんで勇者さんが拘束されなくちゃならないんですか!!」

賢者「僕達は魔王をちゃんと討伐してきたんですよ!?捕まる理由なんて何もないっ!!」

闘士「ふ、ふご!!」

王様「はははwwまぁそう熱くなるな。まずはそうだな。皆の者、魔王討伐御苦労であった!!」

踊子(……なん……なのよ!!)





--玉座の間--

盗賊「……王様。ちゃんと説明してください。でないと」

盗賊達を除くと、今玉座の間には王様とその横にいる受付、それと入口の所にいる兵士二名だけだった。
不自然にも武器は没収されていない。盗賊はナイフをいつでも取り出せるように、神経を張り詰める。

踊子「王様~?仮にもわたし達は魔王を倒してきたんですよ~……不用心すぎますね」

受付「!!王様に向かって口が過ぎます!!」

王様「はっはっは!!なかなかどうして。雇い主に向かって牙をむくとはやりおる」

盗賊「……王様」

王様「にらむな。今答えてやる。そうさなぁ、何から教えたらよいものか……ふむ、魔王とは話しをしたかな?」

賢者(質問したのはこちらだというのに)「えぇ、少しではありますが」

王様「世界のシステムについてヤツは話したか?」

盗賊「いいえ」

王様「そうか……」





--地下牢獄--

ある男が石でできた階段を降りていた。彼の足元を蝋燭の光が照らす。

カンカンカンカンカン

そして地下牢へと行きついた。

勇者「……?」

勇者は鎖で両手を拘束され牢に繋がれている。
その男は勇者のいる牢獄の前で足を止めると、

大賢者「久しいな……我が弟子よ」

勇者「大賢者……様」





--地下牢獄--

大賢者「使命を無事果たせたのだな……礼と賛辞の言葉を贈ろう」

大賢者は頭を下げた。

勇者「はい……しかしこれはどういうことなんですか?」

大賢者「……うむ。それなのだがな」





--玉座の間--

王様「それは正直めんどくさいのぉ。お前達はまだまだ知らないことが多いようだし」

盗賊「……」

のらりくらりとした王様の態度に盗賊は確かな怒りを感じた。
自分でも単純だと思う。
その単純な思考故に盗賊は

この国を敵に回しても勇者を助けると決心した。



受付「王様への狼藉は許しません」

腰のナイフケースに手を伸ばした筈だったのだ。
それがなぜか、盗賊の右腕の肘から先は宙を舞っている。

盗賊「っ!!」

王様の横にいたはずの受付は、いつのまにか盗賊の首にナイフを当てている。





--玉座の間--

踊子「な!あんた!」

受付「魔王を倒したからなんなのですか?……今は王様のお話を聞くべきだと私は思います」

ブシュッ

盗賊の傷口から夥しい量の血が噴出する。

王様「あぁもう、賢者よ、盗賊の手当てをしてやれ。受付もやめるのじゃ。私は話をするためにこの者らをここへ呼んだのだ」

受付「はっ!申し訳ございません」

賢者は切断された腕を拾い、傷口にあてがう。

王様「それにしても盗賊。今のことは不問にするが、私に斬りかかろうとしたな?」

盗賊「……っ」

王様「お前達を思って言うのだがやめた方がいい。もし今お前が武器を掴んでいたら、この者がものの数秒で」

受付「お言葉ですが王様、『秒』はかかりません」

王様「あ、そう?そりゃすまなんだww」

盗賊「……!」

賢者「盗賊君!動かないでください!!」





--玉座の間--

王様「とはいえだ、私が焦らしたせいで、なんていう理由で優秀な部下を失うのは非常によろしくないな。では担当直入に勇者を拘束した理由を説明しよう」

盗賊(……こいつ……わざと俺に斬りかからせようとしたな……あの受付の実力を先に見せておいて、俺達の行動を制限するために!!)

踊子(護衛はあいつ一人で十分……ってことなのね)



王様「まぁつまりはだ。簡単に言ってしまえば……」

大賢者「お前が拘束された理由はだな……」


勇者募集してたから王様に会いに行った


王様「勇者は次代の魔王なのだ」

大賢者「お前はすでに魔王だからだ」





第三部
勇 者





--玉座の間--

盗賊「何を……言ってるんだ」

賢者「冗談にもほどがあります!勇者さんはただの人間ですよ!?」

王様「ただの、ではない。そして厳密に言うと人間でもない」

踊子「……」

王様「踊子よ、多分そなたしか知らぬと思うから言うのだが、勇者因子について皆に喋ったことは?」

踊子「!?っっ……ありません」(……まさか)

王様「まぁ常識的に考えればそうよの。勇者因子というものはな、勇者が勇者足りうるために必要なものなのだ。それは同時代に一人だけ発現する」

盗賊(……勇者さんの過去で聞いたな……)

王様「研究の結果わかったことなのだが、勇者因子は別名、対魔因子とも呼べるもので、モンスター、魔族、そして魔王に対して絶大な力を発揮する」

踊子「……」





--地下牢獄--

勇者「っっ!!」

大賢者「……ショックか?」

勇者「な、何を言ってるのです!?私は人間です!!」

ズキ

大賢者「……お前に魔王を倒させるために、あえて伏せていたことが山ほどある。お前は……いや、まず謝ろう、すまなかった」

勇者「何を言ってるんだ!!!!」

ガチャガチャガチャ!!

勇者は鎖で繋がれているにもかまわず暴れ狂う。

勇者「謝るな……謝るなよ……お前らが勇者だというから、戦えというから私は!!」

大賢者「……すまなかったな」



10

--玉座の間--

王様「つまり勇者というものはだな、勇者因子という特別な力を持つ一世代限りの突然変異種なのだ。いくら外見は愛らしい人であっても、そのステータスを見ればわかるように人を遥かに超えた怪物なのだ」

盗賊「……怪物じみているから魔王のようなものだと言いたいのか?」

王様「違う。考えても見るがいい。魔王なんていう強大な存在を倒す者……確か古代の言葉で毒牙……ええとなんだったかな」

受付「毒を以て毒を制す、でございますか?」

王様「あぁそれだ。最も、火は火で治まる、の方が字的によかったかもしれん」

賢者「……」

王様「勇者因子はな、どうも魔王と接触すると変質するらしい。そして考えが改められた。私達が勝手に勇者因子と名付けて呼んでいたものは……魔王因子の初期状態だったのだ……とな」

盗賊「それが……本当なら」

王様「そう、魔王というのは勇者の発展した姿というわけだ」

拍手[2回]

PR
Comment
Name
Title
Mail
URL
Color
Emoji Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
Comment
Pass   コメント編集用パスワード
 管理人のみ閲覧
Trackback
トラックバックURL:
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
フリーエリア
最新コメント
[01/08 NONAME]
[02/24 NONAME]
[08/01 NONAME]
[08/22 ぴよひこ]
[07/05 ちー]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
Qw0
性別:
非公開
バーコード
P R
カウンター
ブログ内検索
アクセス解析
Copyright ©  -- Qw0の書き物書き物 --  All Rights Reserved
Designed by CriCri Material by 妙の宴
忍者ブログ  /  [PR]