SSとか小説を載せるかもしれません。
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--地下牢獄--
ゆあがhs「オカアサン……オカアサン……オカアサン……」
勇者はそれから二日間泣いて過ごした。
暴れたため、鎖で繋がれた部分は血が滲み、頭部からは少量の血が出続けていた。
蝋燭の炎に照らされる真っ赤に染まった勇者。
処刑は明日の昼行われる。
--地下牢獄--
ゆあがhs「オカアサン……オカアサン……オカアサン……」
勇者はそれから二日間泣いて過ごした。
暴れたため、鎖で繋がれた部分は血が滲み、頭部からは少量の血が出続けていた。
蝋燭の炎に照らされる真っ赤に染まった勇者。
処刑は明日の昼行われる。
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--地下牢獄--
?「久しぶりだね……」
誰もいないはずの地下で声が聞こえる。
勇者は泣き晴らした顔をあげるとそこには、
勇者の牢の中に体育座りをしている何かがいた。
?「今日はこんなにも月が綺麗なのに」
逆光になっていて顔がよくわからない。
だけれど、そのポーズをどこかで見たことがある。
その声をどこかで聞いたことがある。
?改め男の子「君はいつも辛そうだ」
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--地下牢獄--
Uうじゃ8「生き伸びてたのね……ってそれよりもどうやってここに」
男の子「答えてもいいけど、それはどうでもいいことだと思う」
男の子の角は最後に見たときより長くなっていた。羊の角のように丸まり始めている。
男の子「僕はずっと君を見てきたんだ」
ゆう4な「……?」
男の子「僕は君の聞きたいことに対する全ての答えを持っている」
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--地下牢獄--
夕しゃ「……私は……もうどうでもイイ……もう何も知らなくていい……」
男の子「そう……君がなぜ貧乳なのかについても知ってるけど」
勇者「!?」
男の子「じゃあ、君がなぜ魔王を一人で倒せなかったのか、とか」
勇者「……あんなやつ、一人で倒せるわけないじゃない」
男の子「歴代の勇者は魔王との最終決戦を一人で戦ってきていたよ?そして勝ってきた。今までずっと」
勇者「……うそ。……え?なんで君がそんなことを知ってるの?」
なぜか男の子の言葉には理由も無い説得力があった。
人を信じさせる何かが。
男の子「君は一人で魔王を倒せなかった。それはなぜか……君が勇者じゃないから」
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--地下牢獄--
男の子「正確に言うと、君は勇者じゃなくなっていたんだ」
勇者「……え?」
男の子「君は既に魔王化が始まっていたんだよ。だから魔王に有効なはずの君の力が効かなかったんだ」
勇者「でも……なんで、いつ」
男の子「勇者がどうしたら魔王になるか。誰かに聞いた?」
勇者「魔王を倒したら。と聞いたけど」
男の子「うん。それも一つの理由なんだけど、完璧な答えじゃないんだ。本当の引き金は、」
人に対して心の底から憎悪を抱くこと
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--地下牢獄--
男の子「それも生半可な憎悪じゃない。膨大な、何年にも渡り、色んな事で積み重ねた憎悪。その量が一定を超えると魔王化が始まる」
勇者「憎悪……」
男の子「普通の人間ではそこまで憎んだり出来ない量なんだ。歴代の勇者の中でもここまで早く魔王化が始まった人間はいないよ。みんな人間に絶望するまでに相当の年月を費やしたんだ」
勇者「……」
男の子「そして魔王化が始まると人間としての成長は終了する。君の身長、貧乳、童顔の理由がそこにあるとしたら……君は随分前から人間に対して」
勇者「嘘だ!!!!!!」
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--地下牢獄--
勇者「嘘だ!!嘘だ!!嘘だ!!」
男の子「嘘じゃないよ」
勇者「嘘だ!!君は一体なんなのよ!!なんでそんなこと……知って」
男の子「僕のことはなんと呼んでもらってもいいよ。トリガー、最終装置、竜、そんな感じで呼ばれてきた」
兵士G「おい……なんか地下牢で騒いでるぞ」
兵士N「一応見てきたほうがよさそうだな」
男の子「……今日はこれで消えるね。また会いにくる」
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--自宅--
処刑執行日、朝。
盗賊は身支度を整えている。
盗賊「……」
母「参列するだけだと思ったらあんたが処刑執行者だったとはね!いやぁ母さん今からドキドキしちゃうわよ!正直気持ち悪いのは見たくないんだけどね。歴史的な日でもあるし、あんたの晴れ舞台だものね!!」
盗賊「……じゃあ、先行くわ」
母「あら。あ、ほらお弁当作っておいたから食べなさい。ねっ」
盗賊「そんな気分になれないよ」
母「なによぉ、別に人を殺すんじゃないじゃない。魔族っていったって豚や家畜とかわりゃしないわ。人は彼らを殺すから生きていける。これは仕方の無いことなのよ?」
盗賊「……っ」
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--城--
王様「それではお前に処刑を任せる。お前が新しい勇者となるのだ盗賊よ!!」
盗賊「……は!」
王様は勇者が使っていた大剣を盗賊へと渡す。
盗賊「これは……勇者さんの」
王様「元は私が使っていた剣だ」
盗賊「!!」
王様「あの子の無事にと持たせた剣。これであの子に終わりをあげてくれ」
盗賊「わかりました」
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--処刑場--
ザワザワ
勇者は処刑場の真ん中で拘束されていた。頭に布を被らされていて、勇者からは周りが見えず、周りからは勇者の顔を確認することは出来ない。
一般人A「あれが魔族ですか……まぁ恐ろしい!首から下は人間と全く変わらないじゃないですか」
一般人B「ちょっと小さいわね。子供なのかしら……でもきっとあの布の下は醜い顔に違いないですよ」
一般人C「おらー!!よくも西の王国潰しやがったな!!」
一般人の投げた石が勇者の頭部に当たる。
勇者「あがっ!!」
兵士K「やめなさい!!」
勇者の頭にかぶせられた布が染みていく。
勇者「……」
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