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--魔王城--
魔王「どうだ勇者よ。世界を半分や」
勇者「断る」
魔王「……つれんのぉ、恒例のイベントの一つじゃないか。それともこんな遊びに付き合うことも出来ないほど疲労しているのか?」
勇者「黙れ!!」
魔王「ふむ……ふふ、そういえば礼がまだだったな、ほれ、受け取るがいい」
魔王は何かを投げて渡す。
勇者は反射的によけようとしたが、それが回復薬であることを確認し受け取る。
勇者「なんの真似だ……」
魔王「我が城の消火活動を行ってくれたのだろう?その礼よ」
勇者「お前の施しなど!」
魔王「ほれ、これもだ。これもやる。誰が置いて行ったのかしらんが、我らには効き目の無い回復薬がなぜか魔王城のいたるところにある。おかしいとおもわない?」
勇者「……まぁね」
--魔王城--
魔王「どうだ勇者よ。世界を半分や」
勇者「断る」
魔王「……つれんのぉ、恒例のイベントの一つじゃないか。それともこんな遊びに付き合うことも出来ないほど疲労しているのか?」
勇者「黙れ!!」
魔王「ふむ……ふふ、そういえば礼がまだだったな、ほれ、受け取るがいい」
魔王は何かを投げて渡す。
勇者は反射的によけようとしたが、それが回復薬であることを確認し受け取る。
勇者「なんの真似だ……」
魔王「我が城の消火活動を行ってくれたのだろう?その礼よ」
勇者「お前の施しなど!」
魔王「ほれ、これもだ。これもやる。誰が置いて行ったのかしらんが、我らには効き目の無い回復薬がなぜか魔王城のいたるところにある。おかしいとおもわない?」
勇者「……まぁね」
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--魔王城--
勇者「……」(毒などと姑息な手は使わないか)
グビッ
勇者の魔力が全快した。
魔王「ほう、もう少しためらうかと思うたが」
勇者「敵に塩を送って、倒されてから文句を言うなよ?」
魔王「ははは、敵ではないのだよ」
勇者「……」
勇者は剣を構える。
勇者「上で仲間が待っているんだ。さっさとケリをつけさせてもらう」
魔王「急ぐなよ若いな。もう少し話をしよう」
勇者「攻撃力最大上昇!!」
ゴウッ!!
魔王「……わかったわかった。試してみるがいいさ、お前の全力全開とやらを」
勇者は何も言わず、一足で魔王の首元へと移動する。
勇者「奥儀っ、ゆううううううううううしゃ、スラッアアアアアアアアアアアアアアシュ!!!!」
魔王「……」
ドゴオオオオン!!
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--魔王城--
パラパラパラっ
勇者スラッシュ。
その凶悪な破壊力は、直接触れていなくとも魔王の部屋にある四方の壁に亀裂を入れるほどである。
勇者「……ばかな」
しかし
魔王「お前の必殺技など、頸動脈で止められるわ」
ミチミチっ
勇者の大剣は魔王の首を一ミリたりとも斬れなかった。
勇者「……うそだ」
魔王「ん?絶望したか?少女よ」
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--西の王国--
サキュバス「人間ども……何をやっているのかしら……」
兵士A「爆薬はセットしたか?」
兵士B「こっちは完了したぞ。みんな!安全ポイントまで下がれ」
サキュバス(爆薬?……氷漬けになった人間達の氷を割るという気?ばかねぇ、そんなんじゃ中の人間達ごとやっちゃうわよ)
ドゴオオオン
サキュバス「……」
氷漬けになった人間達は、氷ごとバラバラに爆破されてしまう。
兵士A「よおし、次いくぞ。今日中にあと7か所やらなくちゃならないんだ。いそげ」
サキュバス(同じ人間なのにわざと殺しているの?これだから人間は意味がわからないのよ)
スッ
サキュバスは建物の陰に隠れてその行動を見ていた。念のため、氷の粒子による迷彩も施している。少なくとも並の人間にはわからないようになっているのだが、何者かが自分を狙っていることに気付いた。
サキュバス(後ろか!?)
?「……」
誰かが塔の上に立っている。太陽を背にしているため何をしているかまではわからない。
125
--西の王国--
?「ボソボソッ」
サキュバス「!!魔法詠唱か!!」
サキュバスは迷彩を解いて塔の人間の元へと飛んだ。
サキュバス(長い詠唱を必要とする魔法は……広範囲攻撃魔法、逃げても捕らえられる!!)
?「!」
サキュバスの接近に気付いた塔の人間は詠唱を中止、
?「雷属性、槍、精製」
サキュバス「氷属性剣精製!!」
ザブシュッ!!
すれ違いの一閃。
?「……」
サキュバス「ごふっ!!」(なっ!!)
サキュバスは勇者との戦闘で片腕を失い体力も満足に回復できていない。つまり最初からハンデがあったわけだ。
とはいえ、サキュバスは勇者と渡り合える実力の持ち主である。決して剣技も低いレベルではない。
だが、
サキュバス(いとも……あっさりと!!)
サキュバスは斬られた傷を見てそう思った。
?「雷属性、単体攻撃、レベル3」
サキュバス「はっ」
塔の男は振り向きざまに魔法を唱えた。
ビッシャーーーーン!!!!
サキュバス「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
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--魔王城--
キンキンっ!!
ワーウルフ「……中々やりますね」
盗賊「はっはっはっはっ!!」(早い、強い!!やべぇ!!)
ワーウルフがステップを踏むたび現れる残像。次の攻撃は盗賊の横からだった。
ギィン!!
盗賊「っっぐ!!」(間一髪!!)
ワーウルフ「……ほぉ」
爪での攻撃を防げたのは奇跡に等しい。二撃目の回し蹴りを防ぐことはありえなかった。
ドゴッ
盗賊「げぼっ!!」
体を守るはずのアバラは、バラバラに折れて内臓に攻撃をしかける。
盗賊「ゲホッ!!ゴホッ!!」
賢者「盗賊君!!」
盗賊「いいから蘇生してろ!!」
襲撃から1分。
バラバラに殺された闘士よりも、比較的損傷の低い踊子から修復を開始していたが、まだ半分も治せていなかった。
賢者(くそっ!!勇者さん!!)
ドクッドクッ
腕を失った賢者の体力も尽きようとしていた。
127
--魔王城--
勇者「えあああああああああああああああああああ!!!!」
ドゴオオン!!
あれから勇者は、勇者スラッシュを打っては回復、という行動を延々と繰り返していた。
魔王「ふむぅ。どうした?」
勇者「はっ!はっ!はっ……はっ」
ゴクッゴクッ
勇者「ぷあっ!!」
体力も魔力もアイテムを使って全快している。
はずなのに
勇者「ああああああああああああああああああああああ!!!!」
ドゴオオン!!!!
魔王「うーん。今までのダメージ総じて、1。と言ったところか」
ガランガラン
勇者はここで初めて剣を手放した。
勇者「はっ、はっ、はっ、はっ、はっ……うっ……うぐっ!」
勇者の精神力が尽きようとしていた。
128
--魔王城--
魔王「なぜお前の攻撃が我に通じぬかわかるか?わからんだろうなぁ」
魔王は勇者に人差し指を向ける。
魔王「お前は勇者ではない」
勇者「!!」
魔王「勇者とは世界を救う絶対にして唯一の存在。人々の希望の化身。心から人々のために尽くすことを余儀なくされた奴隷」
勇者「……っ」
魔王「お前はそのどれにも属さぬ。お前はただ単に人々に勇者という首輪で飼いならされているペットに過ぎぬ。心の底では嫌いな人々の死を願っている」
勇者「お、おまえ」
魔王「我か?我は人間には健やかにつつましく生きてもらいと思っている。人々がいなくなってしまっては意味がないのでな」
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--魔王城--
賢者「盗賊君!!」
盗賊「はっ」
ヒュン
ワーウルフ「……ほう、反射だけでかわしますか」
ワーウルフの上段蹴りを、盗賊はしゃがんでかわす。
盗賊「あぶねぇあぶねぇ、ごふっ、意識が」
賢者「っっく!!」(限界だ!!もう盗賊君の体力はもう……あと少し)
踊子「行きます!!わたし!っつあ!!」
立とうとした踊子の腹部から大量の血液が流れ落ちる。
賢者「まだだ!!まだ君の傷は塞がってないんだ!!こんな中途半端な状態で戦いにいったらすぐにやられるぞ!!今まで時間を稼いでくれた盗賊君の健闘を無駄にする気か!?」
踊子「今盗賊さんがやられても同じです!!わたしが全快しても一人ではあいつに勝てません!!」
賢者「っっぐっ!!」
踊子「一人が回復し終わっても同じことの繰り返し、いつか賢者さんの体力と魔力が尽きて負けるじゃないですか!!」
バキバキバキ
踊子の腹部を氷が覆う。
踊子「っつ!!……これで何とか持ちます。早く闘士さんを生き返らせてあげてください」
賢者「くっそ!!わかった!!頼んだよ、魔力を使いきってでも、僕がなんとか間に合わせて見せるから!!」
踊子「……ふふっwwまかせましたよ」
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--魔王城--
盗賊(なるほど……)
ヒュンヒュン!
盗賊はワーウルフの攻撃をかわす。
ワーウルフ「……む?」
盗賊「へへっ、これが最高にハイってやつかぁ……」
ワーウルフ(攻撃を最短で避けている?)
踊子「盗賊さん!!」
ドンっ
盗賊「!?これは……」
踊子「攻撃速度、攻撃力、移動速度を強化しました!!もう瀕死なんでしょうから、回復なんか焼け石に水ですよね!!してあげませんww」
盗賊「相変わらず……きっついww」
盗賊はにこりと笑った。踊子もそれに呼応するように。
踊子「一緒に死ぬまで戦いましょうっ!!」
盗賊「おk」
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