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--宿屋--

拝啓、故郷のお母ちゃん
風薫る季節となりましたが、いかがおすごしでしょうか?私は今、勇者さんと一緒に魔王討伐の旅をしています。
勇者さんは本当にすごいお人です。この間も一人で魔族の方々を倒しておいででした。仲間の賢者さんや、闘士さんや、踊子さんもすごい方ばっかりです。

え、私?
私は今、盗賊を名乗っています。

かしこ





--宿屋--

盗賊「これでよし、と」

闘士「こんな夜中まで……家族への手紙かい?」

盗賊「え!?あ、うん」

声に驚いて振り向くと、闘士が裸の上半身をシーツから出してこちらを見ていた。

闘士「そうか。おれも恋しいよ故郷が……。去年の今頃は何をしていたっけなぁww」

盗賊「……」

西の王国から旅立って三カ月くらいたったのだが、わかったことがある。闘士は男同士二人きりの状態になると、普段とは結びつかないほど饒舌になるのだ。

闘士「ほら、暖かくなってきたとはいえ夜はまだ冷える。ベッドに入りなよww」

盗賊「う、うん……」

闘士は西の王国で

盗賊「い、」

職業訓練以外にも、何かの経験を積んでいたことは明白だった。





--宿屋--

盗賊「いやじゃあああああああああああああああ」

バタン!!

部屋を飛び出し隣の隣の部屋、勇者さんと踊子さんが泊まっている部屋へと走る。

ガチャガチャ、カチリ(ピッキングをする音)。バンッ!

盗賊「ゆ、勇者さん!!助けてください!!俺と一緒に寝てください!!」

勇者「……」

踊子「むにゃ。ふぇぇ?なんですか~?」


その日、勇者の炎属性最大魔法によって、小さな村が消滅した。

村のおじさん「わ、わしらの村が……燃えとる」



勇者募集してたから王様に会いに行った 
第二部

魔 王





--村跡--

勇者「……君は本っ当に、盗賊に向いてるね」

盗賊「あの、その……ごめんなさい」(勇者さんは魔王に向いてます……)

賢者「その度に村が消えていってるってすごいことですよね」

案外魔王に滅ぼされるより早く、人類は滅亡するかもしれないのであった。





--魔王城--

モンスター「ご報告いたします!!先日、我が魔王軍の第十二のダンジョンが制圧されたとのことです!!」

サキュバス「……ッ!」

??「ヌゥゥ……?」

?「……そこの、下がっていいぞ」

モンスター「はっ!」

??「どういう……ことだ?サキュバスよ」

サキュバス「も、申し訳ございません!!わ、わた」

??「あのダンジョンを制圧できる者と言えば……以前お前が倒したと言うた『勇者』くらいではないか?」

サキュバス「さ、さようでございます。……魔王様」

??改め魔王「ふむ……」





--魔王城--

魔王「お前は我に偽りの報告をしたのか?」

サキュバス「だ、断じて違います!!」

?「……倒した、と勘違いしてしまうほど、サキュバスの能力は低かった、ということなのでしょう」

サキュバス「!?ワーウルフ!貴様!!」

?改めワーウルフ「……何か違うのか?違うと言うのであれば、今度こそ勇者を倒してくればいいではないですか」

サキュバス「!?ワーウルフ……」

ワーウルフ「どうでしょう魔王様。サキュバスにもう一度チャンスを与えてみては?」

魔王「ふむ……」

サキュバス「……っ」

魔王「よかろう……我が右手サキュバスよ、もう一度お前にチャンスを与える。して我が左手ワーウルフよ、お前は何をする?」

ワーウルフ「……ダンジョンを潰されて困っている下級モンスター達に、仕事場を斡旋したいと思います」

魔王「ほぉ、就活はいつの時代も大変なのだなぁ」

ワーウルフ「……かつては13あったダンジョンも残るはたったの一つ。競争率は言うまでもなく激化しています。もちろんこのダンジョンは最も優秀な高学歴のモンスター達で溢れかえっており、もとより下級モンスターの入るスペースはありません」

魔王「それは可愛そうに……ではどうするのだ?」

ワーウルフ「……一部は魔王城の掃除係として、一部は魔王城の家具として、そして残る者たちは……魔王様、ソイレントグリーンという映画をご存知ですか?」

魔王「うわっ!あれまじトラウマなんだけど!!ほんとにやんの?やだぁ~……」





--東の森--

モンスターをたおした!
 
盗賊「ふぅ、段々強くなってきてるな」
 
賢者「本当にね。より一層頑張らないと」
 
勇者(ふふww何を言う……ちゃんとついてこれているじゃないか)
 
盗賊が賢者に近づきそっと耳打ちする。

盗賊「しかし……賢者さん。前から思ってたんですが……巨乳はいいですね」
 
賢者「!!……あぁ!!僕もいつ言おうか迷っていたんだよ。踊り子さんのぶるんぶるんはたまらないな……勇者さんもかなりあるようだが、鎧のせいで揺れないからな」
 
盗賊「こんな話聞かれたらまた燃やされちゃいますねww」
 
賢者「まったくww」
 
踊子「ふぅん……」
 




--東の村、風呂場--
 
踊子「勇者様~お話が♪」
 
勇者「ひぃ!?踊子!?なんで!?」
 
踊子「親睦を深めようと思いまして~ww」
 
勇者「い、いい!!いいから出てって!!」
 
踊子「え~?冷たいですわぁ。上司たるもの部下とのスキンシップは必要不可欠でしょ~?」
 
勇者「過度なスキンシップは不必要よ!!きゃっ!!」
 
むに
 
踊子「あれれ~?この手にすっぽりと納まる感じ……普段見ていたのとは違って、随分可愛らしいサイズですね~ww……www」
 
勇者「ひぃう!!」
 
 



--東の村、宿屋--

勇者は踊子の前で正座している。顔を真っ赤にしてうなだれながら。
 
踊子「これはどういうことなんですか~」
 
踊子は勇者の鎧を指差す。
 
勇者「せ、戦闘は危ないからっ!!その……防御力は高いほうがいいし」
 
踊子「なるほど~。だから鎧を『胸の部分だけ』厚くしてたんですか~」
 
勇者「あわわわわ!お、お願い!みんなには言わないで!!」
 
踊子「なんでです?このご時世だからきっと皆も理解してくれますよ~ww時代が時代でよかったですね~」
 
勇者「いいからお願い!後生ですからーっ!!」
 
 

10

--東の森--

モンスターをたおした!
 
盗賊「お?」
 
賢者「どうしたんですか?盗賊君」
 
盗賊「もう少しで新しいスキルが身につきそうな気が!!」
 
賢者「!!……それはまさか例のアレで?」
 
盗賊「……イエス!」

賢者「是非会得した暁には僕もご相伴にあずかりたいものです!!」

盗賊「……喜んで!!」

勇者「?」

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