SSとか小説を載せるかもしれません。
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--誰かの過去--
王国からえらい人がやってきたらしい。なんでも私の噂を聞いて来たそうだ。
団長「いやいやそうはおっしゃられましてもぉ。あの子は我がサーカス団の顔なんですよぉ」
??「好きなだけ金を払ってやる。いくらがいい?」
団長「……そうですかぁ。では100億用意して頂きましょうか」
??「……」
団長「貴方様が本当に王国の使者で、それほど重要だと言うのであればそれくらい払えるでしょう?」
??「……わかった。明日までに持ってこさせよう」
団長「なぬ!?」
--誰かの過去--
王国からえらい人がやってきたらしい。なんでも私の噂を聞いて来たそうだ。
団長「いやいやそうはおっしゃられましてもぉ。あの子は我がサーカス団の顔なんですよぉ」
??「好きなだけ金を払ってやる。いくらがいい?」
団長「……そうですかぁ。では100億用意して頂きましょうか」
??「……」
団長「貴方様が本当に王国の使者で、それほど重要だと言うのであればそれくらい払えるでしょう?」
??「……わかった。明日までに持ってこさせよう」
団長「なぬ!?」
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--誰かの過去--
私はまた売られるらしい。
団長「ふぅーむ……」
団長はずっと唸っていた。
私を売ったほうが儲かるのか、売らないほうが儲かるのか計算していたのだろう。
そして相手が本当の王国の使者だった場合、有無を言わさず手放さなければならないということも頭にいれて……。
団長「ふむぅ。決めました……お姉さんや、あの子を私の部屋に」
お姉さん「!!……わかりました団長」
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--誰かの過去--
?「それでねー、わたしねー」
男の子「ねぇ……一つ聞いていい?」
?「ん?なぁに?」
男の子「君は人間のこと、どう思う」
?「え」
男の子「人間」
?「ん……」
私は白ワニが殺された時のことを思い出していた。
つまり私の親が人間に殺されたということを。
?「団長もあの人たちも嫌い」
男の子「……」
?「でもお兄さんやお姉さんや、男の子は好きだよ」
男の子「……僕は人間じゃないよ」
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--誰かの過去--
?「え?人間だよぉ」
男の子「違う」
彼は亜人種。当時の私は知らない言葉。
男の子「人間なんて」
カンカンカンカン
私達の檻部屋に誰かが降りてきた。
?「あ、お姉さんだ。どうしたの?もう夜だよ?」
お姉さん「うん……ちょっとね……あの」
?「?なぁに?」
男の子「行かない方がいい」
お姉さん「っ!?」
75
--誰かの過去--
男の子「行かない方がいいよ」
?「?なんのお話?」
私は振り返って男の子に聞いてみた。
お姉さん「……ちょっと来て、お話があるらしいの……団長が」
?「私に?」
お姉さん「うん……」
私は男の子の言葉が気になったが、団長に逆らうことなどできるはずもなく、素直に行くことにした。
ぐいっ
?「あう」
私の服を男の子が掴んでいる。
男の子「……」
?「お話してくるね。終わったらまたお話しよう」
男の子「……」
男の子は諦めたように手を離した。
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--誰かの過去--
お姉さんは団長の部屋の前までついてきてくれた。
お姉さん「……」
でもお姉さんの顔はいつもと違っておかしかった。
?「どうしたの?」
お姉さん「え!?あ、いや……大丈夫よ」
お姉さんは仕方が無かったのだ。
団長の部屋につくとお姉さんは言った。
お姉さん「じゃあ……私はここまでだから」
?「うん、ありがとー」
お姉さん「……ごめんね」
?「?なんで謝るの?」
77
--誰かの過去--
?「お邪魔しまぁす」
ギィ
団長の部屋に入るのは初めてだった。
団長「やぁよくきたね」
私が団長に向かって歩きだした時に、何気なく上を見上げたのがいけなかった。
?「ひっ」
天井には白ワニの皮が装飾品として貼り付けられていた。
78
--誰かの過去--
団長「あぁこれですか。見覚えがあるでしょう。下水道の主ですよ」
?「ひぃっ」
白ワニを殺されたシーンが脳内で再生される。
団長「白くてきれいですよねぇ……まったく農民の馬鹿が。この白い皮の価値を知らずに滅多打ちにしやがって。まぁそれでも仕方なく飾っているんですがねぇ」
団長は立ち上がり、震える私に歩み寄る。
団長「おやどうしたんですか震えて」
?「ひっ、うくっ」
ひどい。
ひどい。
私の家族をこんな……
団長「嫌なんですよぉ勝手に泣かれてしまうのは」
団長はハンカチを取り出し、私の涙を拭う。
団長「泣かすのが好きなんですから」
79
--誰かの過去--
ひどい。
ひどい。
ひどいたいひどい。
ひどいひいたいどいひどいひd
人間なn
80
--誰かの過去--
目を覚ました時は全てが燃えていた。
サーカス会場は潰れ、団員は千切れて、団長は鉄の棒に貼り付けられていて。
ゴオォオウ
人の死体の山の上に誰かが立っている。
男の子「……君の心の声が聞こえた」
?「あ、あう……う」
男の子はまっすぐにこちらを見ていた。
男の子の頭の角は心なしか大きくなっているように見える。
男の子「……」
?「ひうっ、いっく」
もう何が何だかわからなかった。この世はあまりにひどいことが多すぎる。
男の子「……」
そして私が泣いている間に男の子の姿は見えなくなっていた。
ザっ
??「これは!!……ん?君!大丈夫か!?」
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