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71

--隠しダンジョン地下四十七階--

盗賊王「風属性付与レベル2」

盗賊王は風をナイフに宿らせて斬りつける。

鷲男「炎属性魔法レベル3!!」

盗賊王「っ!!」

ボオオオオオンン!!

接近する盗賊に向けて鷲男は炎弾を放つ。風に触れた炎は勢いを増して、フロア全体が炎の海と化す。

鷲男「私の属性と相性のいい風だったとは……」(勝ちが見えた!!)

盗賊王「っ……」(風の魔法じゃ炎を相手にするのは……)

隊員2「あああっついいい!!!!範囲攻撃氷属性レベル2!!」

隊員2の放った氷魔法によって、フロア一帯が氷漬けになる。

盗賊王「ぬ?」

鷲男「足が!」

犬娘『きしゃあああ?』

隊員2「……あ」

全員の足が凍りついてしまった。
72

--隠しダンジョン地下四十七階--

犬娘『きしゃあああああああああああ!!』

バキィン

犬娘は何も気にしないとばかりに、自分の両足首を切り離す。

隊員2「……え」

犬娘『きしゃっきしゃっきしゃっ』

氷上で唯一自由の身となった犬娘は隊員2へ近づき始める。

隊員2「いやああああああああああああああああああああああ!!」

盗賊王「魔法を解除しろ!!」

隊員2「は!!」

盗賊王の声が耳に入り、正常な思考が戻りだす。

隊員2「はい!!」

バリィィン

隊員2は自分の魔法を解除すると、全ての氷が砕けた。

隊員2「すいませんっ、取り乱してしま……」

隊員2が盗賊王の方を振り返った時、肉の焦げる匂いがした。



73

--隠しダンジョン地下四十七階--

ブスッブス

隊員2「ぼ、ボス!!」

身動きのできない状況で、盗賊王は鷲男の炎魔法で攻撃され続けていたのだ。

盗賊王「……中々粘るじゃねぇか。瀕死かと思ってたのによ」

鷲男「ふん」(人間の精神とは本当にふり幅が大きいですね……)

隊員2「回復魔法レベル3!!」

鷲男「犬娘!!」

犬娘『キッシャアアアアア!!』

隊員2「!?」

盗賊王に回復魔法をかけようとした隊員2は、犬娘に飛びかかられて倒される。

隊員2「うわ!!」



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--隠しダンジョン地下四十七階--

犬娘『きしゃっきしゃあああああああああああ!!』

隊員2「んああああ!!い、いい加減に!!」

投げ飛ばそうとするも、さすがに亜人の力には勝てず押し込まれる。

隊員2「あくっ!!」

犬娘はその牙を光らせ、隊員2の喉元に食らいつこうとする。

隊員2「やだああああああああ!!!!」



75

--隠しダンジョン地下四十七階--

部隊長E「ボスー!!!」

隊員2「!?部隊長達、引き返してきたんだっ!!」

ドッゴオオン!!

部隊長B「おい盗賊王!こいつはやべぇぞ!?ってお前!!」

盗賊王「……?」

盗賊王の焼け焦げた姿を見てぎょっとする。

部隊長B(あいつがこんなにダメージ受けてるなんて初めて見るぜ……)

部隊長D「きゃああああ!!ぼ、ボスが!!」

鷲男「ち、もう引き返してきましたか」

その三人の後ろから、何かがすごいスピードで

ドオオン

部隊長B「もう追いついてきやがったか!!」

天使「汝ら、そなた達は何を求める?」



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--隠しダンジョン地下四十七階--

鷲男「!?」(これが50年前の……)

盗賊王「……こいつがダンジョンボスか」

部隊長E「こいつはわたくしがおさえます。部隊長Dは盗賊王の回復を!」

部隊長D「はい!!」

隊員2「だ、誰でもいいからこいつなんとかしてくださーい!!」

部隊長B「あん?……お前まだこんなのと遊んでたのか」

部隊長Bはそのままの勢いでドロップキックをくらわした。

犬娘『ぎゃんっ!!』

部隊長B「?あれ?そういやこいつ止め刺した気がしたけど」

隊員2「あ、ありがとうございます。あの鷹みたいな亜人がネクロマンサーだったらしいんすよ」

部隊長「まじか。だてに南の王国守護隊長はだてじゃねぇってか」



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--隠しダンジョン地下四十七階--

部隊長B「部隊長D、お前よりこいつのが回復うまいんだろ?お前は犬亜人のネクロ解除しな」

部隊長D「え!?でもボスのほうが……いや、そっちのほうが確かに効率的ですね。まかせましたよ!隊員2!!」

隊員2「あ、はい!!」

天使「汝ら、そなた達は何を求める?」

部隊長E「同じことばかりしつこいですね。わたくしの望みは盗賊王様の願いが果たされること!!」

天使「……不合格」

天使の瞳が光り、レーザーが発射される。

ビュウン

部隊長E「……っ!!」



78

--隠しダンジョン地下四十七階--

鷲男「……」(今は下手に動けない……いや、なんとしてもここで砂漠の風のトップを落とすべきですね!!)

鷲男はナイフを持つ手に力を込め、盗賊王に向かって疾走する。

ギィン

部隊長B「おっと、お前の相手はしばらく俺がやってやんよ」

鷲男「!!……どいてください」

ドッ

部隊長B「っと!やるなぁ!!最初から1対1だったらやばかったかも」

隊員2「すいませんっ!!あたしのせいでっ、回復魔法レベル3!!」

隊員2は盗賊王に回復魔法をかける。

盗賊王「……お前のせいじゃない」



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--隠しダンジョン地下四十七階--

犬娘『ぎゃわああ!!きしゃあああああ!!』

部隊長D「はいはいおとなしくしてくださいね。魔法解除レベル2。えーとヨリシロは……あった、この羽根ですね。えいっ」

犬娘『ぎぃっ!……ぎ』

体に刺さっていた羽根を取られた犬娘は、元の動かぬ死体へと戻る。

ドサっ

部隊長E「……が」

部隊長D「!?」

部隊長Dの目の前に落ちてきたのは部隊長E。左半身のほとんどが吹き飛ばされていて、見るに堪えない。

天使「汝ら、そなた達は何を求める?」



80

--隠しダンジョン地下四十七階--

部隊長D「っ!!」(このダンジョンボス、さっきから同じ質問ばかりしてくる……返答がキーになってるのかしら。ということは返答次第でやり過ごすことが出来る?)

天使「汝ら、」

部隊長D「わ、私は」


鷲男「ふううううっ!!」

ギィン!ドガっ!!ドッ!!

部隊長B「っづうう!!」(こいつ、蹴りも殴打もすげぇレベルだ!!致命傷に近いダメージを食らってるはずなのによぉ!!)

隊員2(私の魔力全部使い果たしてもいいから、早く、早く!!)

盗賊王「……もう十分だ」

隊員2「!?そんな、まだ半分も」

盗賊王「今動かないと全滅する」

天使「不合格」

ビュウン

部隊長D「きゃああああっ!!」

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