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--自宅--

俺「母ちゃん、勇者募集の張り紙があったからちょっと城行ってくるわ!!」

母「はぁ?そんなことより早く就職しなさいよ」

俺「いやだから勇者っていう職業に就こうかと……」

母「何言ってんの!高卒で5年間ニートしてたあんたなんかが勇者様になんてなれるわけないでしょ!?体だって青っ白いもやしみたいなくせに」

俺(ひでぇ……家に居場所が無いから言い出したのに……)

勇者募集してたから王様に会いに行った 
第一部

ニートは勇者の夢を見るか?






--城--

俺「あのー……勇者の張り紙見てきたんですけども」

受付「あ、勇者求人のことですね!ではそちらの扉から入って頂いて、右に曲がった所に青い扉の部屋があるので、そこで待っていて下さい」

俺(なんだこれ。バイトの面接みたいだ)





--待合室--

ガチャリ

俺「え?」

俺(なんか3人も男の人がいる……もしかして)

俺「あの……」

男A「なにか?」

俺「貴方達も勇者募集の張り紙を見てここに来てたりします?」

男A「うん、そうですよ。これで君を含めて4人いることになりますねww」

俺(俺以外にも勇者になろうってやつがいるのか……)





--待合室--

その後しばらく男Aさんと話をした。
男Aさんも、格闘とかスポーツをやってなさそうな体型だった。
実は大学を中退してからずっとひきこもっていたらしい。

男A「不甲斐ないよww」

照れ笑う男Aさんに親近感が湧いた。



それと同時に、うちらみたいなのが勇者候補って、まじで世界危ういんじゃないかと思った。





--待合室--

受付「それでは時刻になりましたので別室に移動します。付いてきて下さい」

男A「どうやら僕ら4人だけか」

俺(勇者って選抜されるものだったのか……まぁでないと世界中の人達(?)が納得しないか)

--別室--

受付「それでは皆さんにはこれから適性検査を受けてもらった後、個人面接とグループ面接、そして役員面接を受けていただきます」

俺「入社試験!?」





--面接室--

役員A「それでは俺さんはどうして勇者になろうと思ったのですか?」

俺「えっと、その俺、あ、いや私は、ずっと家の手伝いしかしていなかったのでそろそろ社会に出てみんなの役に立ちたいなぁww……なんて考えて……その。あ、あと今世界が魔王の危機にさらされてるし!……って思いましてはい」

役員A「ふむ……はい、わかりました。それでは待合室でお待ち下さい」

俺「はい」(超緊張した……。対策しとくんだった……)





--待合室--

男A「俺君、適性検査の結果どうだった?」

俺「うん、それがさ」

ペラ

俺「……あなたに最適の職業は盗賊って書いてあるんだけど」

男A「あはははwwwwそれはそれは。僕は賢者だって言われたよ。勇者になりに来たのにねぇ……やっぱり僕達なんかじゃだめってことなんだろうか」

俺「とりあえず俺、面接は全部落ちてそうだよww」

男B「俺様は魔法使いって結果がでたぜwwwwうはwwww」

男C「おでは……闘士……」

なんだかんだでグループ面接でみんなと仲良くなりましたww

男A「しかし検便なんかするとは思わなかったよねww」

俺「え?」





--会議室--

受付「皆様お疲れさまでした。これにて試験を終了します。それで結果の方ですが……」

俺(もうわかってるよ……みんな駄目なんだろ?いいさ、これからみんなでゲーセンいくからwwlovlov!!)

受付「全員合格です!!おめでとうございます!!」

俺「え?」

男A「全員?」

受付「はい!全員です!!」

俺「え?」

受付「え?」

男B「勇者ってのは一人じゃないんすか?wwww」

受付「え?もちろんそうですけど?」

男B「え?」

受付「え?」





--会議室--

受付「皆様は勇者のお供に選出されたというわけですが」

俺「お供!?勇者じゃなくて?」

受付「はい、そもそも今回の募集は勇者様のお供をぼしゅ、!!」

受付(しまった、言っちゃいけなかったんだ!!)

男A「そうだったのか……」

俺(最初から勇者募集ってのは嘘だったのか……そりゃそうかww)

男B「え?wwどゆことどゆことwwww」

俺(まぁ正直勇者のお供ですらこなせるかわからんけども)

受付「そ、それでは勇者様と一緒に魔王討伐に行っていただくわけですが、」

男A「納得いかない!!」

俺「!?」

男C「お、おで」



10

--会議室--

男A「一大決心をして来たというのにあんまりだ!!」

俺(あの温厚な男Aさんが怒るなんて……)

男B「そ、そうだそうだwwww一w大w決w心wwwwwwwwwww」

受付「あ、あっとぉ、えっとおぉ」(どうしよう)

?「そこまでだ!!」

俺(やべぇ、仮面に甲冑、そして赤いマントで身を包んだ兵士が部屋に入って来た!!)

?「結果に不満があるのなら、それを覆すだけの力を私に見せてみろ!!」

男A「な、なんだと……」

?「そうだな。私に1でもダメージを与えられたら、『勇者』を代わってやる」

男C「お、おで」

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