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209
--南の島--
ここは無人島ってことになってるけど違う。国で生きていけなくなったような人達が、何十人もこの島に辿りついていた。
ここは南の南の、最果ての島。
俺「今日は海に行こう」
彼女「あおいhぐぉjgふぁ」
彼女は嫌々と首を横に振る。
『だって』
俺「貧乳とか言わないからさ」
彼女は嫌々と首を横に振る。
『きっと怖がるから』
震えた字で書かれていた。
--南の島--
ここは無人島ってことになってるけど違う。国で生きていけなくなったような人達が、何十人もこの島に辿りついていた。
ここは南の南の、最果ての島。
俺「今日は海に行こう」
彼女「あおいhぐぉjgふぁ」
彼女は嫌々と首を横に振る。
『だって』
俺「貧乳とか言わないからさ」
彼女は嫌々と首を横に振る。
『きっと怖がるから』
震えた字で書かれていた。
210
--南の島--
彼女「ao4おいr0h2すぅい!」
猫「にゃにゃにゃ!」
日中は猫と戯れて過ごす彼女。まさに完全なニートだ。
俺「それじゃあ行ってくるよ」
彼女「……」
ブンブン
彼女は、猫を盾にして顔を隠し、猫の腕を使って手を振った。
猫で顔を隠しても、左の角は隠れない。
211
--南の島--
俺「ただいま、今日は魚を……どした?」
俺達の住んでいる家が、誰かに荒らされたようにめちゃくちゃになっていた。そして彼女は部屋の隅でうずくまっている。
その瞳は涙で濡れていて……俺を睨んでいる。
そして部屋の中には少量の血が点々と。
俺「何か……あった?」
彼女「……ああああああああん!!」
彼女がまた泣いた。
それから猫をみない。
212
--南の島--
彼女「み8う4えd87うhうぇぢゅhjうぇfdしゅい!!」
俺「!?」
ガバッ
突然の絶叫が聞こえ夢から覚める。
彼女「あくcjydくぁhyfd!!!!」
彼女は頭を抱えて首を振る。
二人で生活をし始めてからよくある光景……。
彼女はずっと……戦っていた。
俺「今水を!!」
彼女「!!」
俺が動いた瞬間、彼女の何かが反応した。
シャッ
俺「!?」
ダンっ
彼女「がい8えwr4g24じょぇあrg!?」
彼女は俺を押し倒して馬乗り、そして俺の首を絞めた。
俺「あっぐうう!!」
彼女の力は既に人の域を超えている。絞めあげられるよりも握りつぶされるほうが先かもしれない。
ブシュッ
とうとう彼女の指が首の中へと侵入する。
彼女「いおうあrhyg9824あ!!」
彼女が捲し立てる言葉は理解できない。でも彼女のことは理解しているつもりだった。
213
--南の島--
彼女「あ9g、と9い、kぼs!」
彼女は俺の胸で泣いている。真夜中であることも構わずに。
俺は首に布をあてつつ彼女を抱きしめる。
こんなに強くなったのに、体はとても細くなってしまっていた。
俺「……」
そういえばここ最近、ちゃんとご飯を食べてくれなかった。
彼女「……」
214
--南の島--
俺「う……ん?」
朝目を覚ますと、目の前に彼女の顔があった。
彼女はふとんから降りると、ぺこりと頭を下げた。
俺「え?あ、あぁおはよ」
彼女はさらさらと紙に何かを書いている。
俺「ふああ……どしたの?」
彼女「……あhg」
『いままでありがとうございました。もうじゅうぶんです。ころしてください』
215
--南の島--
俺「そんなことできるはずがないだろ……俺は君を……」
彼女「……」
『私はもう魔王なんだよ、今はかろうじて理性を保っているけどいつまで続くかはわからない』
俺「魔王は生きていちゃいけないのか?」
無責任に言った昔の自分の言葉が今は辛い。
彼女「!!……」
さらさら
『なんとなくだけど、わかるの、もうあと十数年もすれば、新しい勇者がくる』
俺「ならそいつを俺が倒すよ」
彼女「!?」
さらさら!!
『無理だよ!!すごく強い!!絶対に勝てない!!』
俺「……俺は」
216
--南の島--
俺「それでも君とずっと一緒にいたいから」
彼女「……やめてよもう」
俺「!?え、喋れて!!」
彼女「みんなみんな、諦めたのに……」
俺「……色んなことを、いや全て君のせいにしててごめん……でも昔も今もこれからも……君はたった一つの俺の生きる理由なんだよ……」
彼女「……」
俺「君が魔王になっても気持ちは変わらない。敵が誰だろうと関係ないんだ、モンスターだろうが魔王だろうが勇者だろうが。君と一緒に生きていけるなら……誰だって倒してみせる」
彼女「……っうう」
俺「……君が好きなんだ」
彼女「う……うぅぅ!!!」
俺「だから……死なないでくれ……殺してしまった人達の分まで生きよう!!」
217
--南の島--
彼女「……うぅ……わかった……わかったよぉ!!……私だって、私もっ……貴方が……」
彼女の顔は涙と鼻水によってぐしゃぐしゃだ。それでも彼女は、
彼女「……!」
顔を上げて、真っすぐ俺を見つめて……言った。
好きだから
盗賊「っ!!」
盗賊は顔を見られないように俯いた。
そしてあることを思い出して上着のポケットをまさぐる。
俺「あった……これを……」
彼女「え?これって……」
俺「昔闘士にもらったんだ。綺麗だろ?闘士が言うには、『願いが叶う指輪』らしいよ」
彼女「綺麗な……指輪」
俺「なんとなく……君に似合うかな、と思って……あ、貰い物、ってとこには目をつぶって欲しいんだけどさ」
彼女「うぅん、ありがとう……これ……どの指にはめればいいの?」
俺「……この指」
218
--南の島--
嫁「ほら起きてよ」
俺「……んあ」
嫁「今日はみんなに会いにいくんだって言ってたのに!!なんで寝坊してんの!!」
俺「……だってさぁ嫁がさぁ」
嫁「……早く支度して/////」
あれからちょっとして、角を切った。
ちょっと血が出たけど、やっぱし邪魔なものだったし、町に買い物を行く時とか目立っちゃうし。
嫁「……どうかな」
俺「可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い」
白いワンピースに麦わら帽子。季節は巡ってまた夏である。薬指の指輪が光って眩しい。いや嫁の笑顔のが眩しい。
嫁「久しぶりの遠出だぁ……」
角のせいかなんのせいかはわからないけど、もう嫁から黒いオーラを感じなくなった。
いわゆる……輝石?(指輪的な意味で)
俺「よし、準備完了。じゃあ行きますか」
やたらめったら厳しい人生だったけど、きっとこれからはその反動で幸せになれるに違いない。
嫁「そういやこの願いが叶う指輪なんだけどさ」
俺「ん?」
嫁「……どんな願いをかけたの?」
俺「死んでも言えん」
嫁「すでに歯の浮くセリフいっぱい聞かされた気がするけど……」
俺「う、うっさい!ほら行くぞ!!」
俺は嫁の手を握る。
嫁「……ふふ、うん、行こう♪」
俺「あ、まて、パッドはおいてけ」
勇者募集してたから王様に会いに行った
真グッドエンド
完
PR
すっきりしました!!
これからも頑張ってください!!