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201
--草原--
毛むくじゃらに変貌した踊子は、既に致命傷を負っているのにも関わらず、全速力で勇者を探していた。
踊子「ユウシャ、ユウシャ、ユウシャ、ユウシャ!!」
本能か、それとも何か通じ合うものがあるのか、踊子は勇者を探しに草原に来ていた。
ずざざー
踊子「ココラヘン二……」
ギャアアアン!!
黒い雷が草原に落ちる。
ビョォオオ!!
今度は黒い竜巻が草原を押し進む。
踊子「……」
踊子は異形に姿を変えた二人が、途方ももない力で戦争をしているのを見た。
踊子「……がはっ」
踊子は胸の傷を見て、残りの寿命の使い道を考えていた。
--草原--
毛むくじゃらに変貌した踊子は、既に致命傷を負っているのにも関わらず、全速力で勇者を探していた。
踊子「ユウシャ、ユウシャ、ユウシャ、ユウシャ!!」
本能か、それとも何か通じ合うものがあるのか、踊子は勇者を探しに草原に来ていた。
ずざざー
踊子「ココラヘン二……」
ギャアアアン!!
黒い雷が草原に落ちる。
ビョォオオ!!
今度は黒い竜巻が草原を押し進む。
踊子「……」
踊子は異形に姿を変えた二人が、途方ももない力で戦争をしているのを見た。
踊子「……がはっ」
踊子は胸の傷を見て、残りの寿命の使い道を考えていた。
202
--草原--
軍団長「ふは……はははははは!!」
黒いオーラから口が出現し、軍団長は嬉しそうに笑った。
軍団長(今の今まで、俺の心は憎しみで満たされたはずなのに……なぜこうも楽しいのか)
命懸けの戦いをしているというのに、なぜか笑ってしまう自分が理解できなかった。
ギィィィン
軍団長(俺は今、あの勇者と五分に闘っている……く、くく!!)
ギン!ギン!ギギャァン!
左目<モット憎悪ヲ抱ケ>
軍団長「?」
左目<モット人ヲ憎メ>
軍団長は頭の中に響いてくる声を聞く。
203
--草原--
ギガァン!!
勇者「ふふっ」
勇者も釣られて笑う。
勇者(私にトッテ、これ以上なイホど無駄な戦いなのに)
ガッ!ヂギィン!
勇者(君と剣を交わシテイると……なぜか、心が安らぐよ)
自然と頬が緩む。
勇者(そうか。誰かを倒そうトスる行為は、ソの誰かを求めている、ということなのか)
ギギッギィン!!
勇者(今私は求められている。倒すべき存在として求められている。私の生きてきた意味は、あった。私は君に倒されるために生まれてきたのか……)
???「負けるつもりなのかい?」
巻き角の少年は、草の上に座り勝負を観戦していた。
???「君は、本当にそれでいいのかい?」
204
--草原--
軍団長(ははは、憎しみか……。もはや些細なことだ)
左目<ナニ?>
軍団長(わかりきったことだった。憎んだ所で仲間は元に戻らない……)
左目<ソレデモ憎ンダノダロウ?自分ヲ認メテクレナカッタ彼女ニ思イ知ラセテヤリタカッタノダロウ?>
軍団長(あぁ。それは間違いない)
左目<ダッタラ>
軍団長「だがそれ以上に俺は、勇者になりたかったのだ!!」
軍団長は左目を掴む。
左目<!?貴様!ナニヲスル!!>
軍団長「お前は邪魔だ!!消えろ!!」
ぶちぶちいぃ!!
軍団長は体の一部となっていた魔王の骨を引きちぎった。
ぼたっぼたたっ
軍団長「はっ、はっ……お前の力を借りていたんじゃ……意味が無い。こんな最高の戦いに、俺ら以外のものが入ってくるな」
左目<オノー……レ>
軍団長「……心配せずとも、仲間の仇は取る。それが砂漠の風の首領だったものとしての務めだ」
205
--草原--
勇者(いイよ)
???「……」
勇者(いインだよ)
???「……」
勇者(私は全力デ戦ッて負けるンダ)
???「……でも」
勇者(あリガとう、トリガー)
???改めトリガー「」
勇者「でも私は、勇者として全ての力をぶつける!!」
ぶわぁあ
勇者から黒いオーラが消えた。
勇者「こんなにも強く、誰かから思われたことはなかったから」
206
--草原--
軍団長改め盗賊「……ははは」
勇者「……ふふふ」
盗賊「俺は道を間違えた」
勇者「私は選択を間違えた」
盗賊「でもそれはそれで」
勇者「悪くは無かったのかもしれない」
盗賊はナイフを引いて構える。
それを見た勇者は大剣を上段に構える。
盗賊「……俺は次に全てをかけるぞ」
勇者「……私も次で最後だ」
盗賊「……」
勇者「……」
207
--草原--
ジリジリ
少しずつ二人の距離は近くなり、
盗賊「……」
勇者「……」
二人の顔に真剣さが増していく。
ダッ
二人は駆けだした。
盗賊、勇者「「奥義!!」」
交錯する瞬間、二人は自分のとっておきの技を繰り出した。
盗賊「盗賊ブレエイイイイイドオオオ!!」
勇者「勇者スラッアアアアシュウウウ!!」
ズバシャアアアアアアアアアアアア!!
二人の距離はやっと0になった。
208
--草原--
盗賊「……」
勇者「……」
ツー
口から血を流し、
ドサリ
重なり合うようにして崩れる二人。
盗賊「ゴブっ……」
勇者「がはっ……」
二人は同時に血を吐いた。
盗賊「は、ははは……やった……やったぞ……俺は、勇者を」
盗賊は無い右腕でガッツボーズを取る。
209
--草原--
勇者「づっ……」
盗賊「はぁ……はぁ……俺は勇者を倒し、遂に、勇者に……な……」
勇者「げほっごほっ!……盗賊?」
盗賊「……」
せき込みながら勇者は盗賊を見た。
勇者「とうぞ……く……」
盗賊「……」
勇者「……」
勇者は血濡れた右手で盗賊の頬に触れる。
踊子「……」
小さい丘の上で、踊子だったものは横たわっていた。
踊子「……」
ピクリとも動かずに、まるで彼らの戦いを見守っているかのように。
踊子「……」
瞳はもう随分と開いていない。
210
--草原--
勇者は泣いている。
トリガー「無駄なことなんだよ。今の君が死ぬわけがない」
勇者は鳴いている。
トリガー「一度魔王になったら存在は魔王として固定される。魔王の力を使おうが使うまいが、勇者以外の存在に倒されるわけがない」
勇者は啼いている。
トリガー「……」
勇者はないている。
--草原--
軍団長「ふは……はははははは!!」
黒いオーラから口が出現し、軍団長は嬉しそうに笑った。
軍団長(今の今まで、俺の心は憎しみで満たされたはずなのに……なぜこうも楽しいのか)
命懸けの戦いをしているというのに、なぜか笑ってしまう自分が理解できなかった。
ギィィィン
軍団長(俺は今、あの勇者と五分に闘っている……く、くく!!)
ギン!ギン!ギギャァン!
左目<モット憎悪ヲ抱ケ>
軍団長「?」
左目<モット人ヲ憎メ>
軍団長は頭の中に響いてくる声を聞く。
203
--草原--
ギガァン!!
勇者「ふふっ」
勇者も釣られて笑う。
勇者(私にトッテ、これ以上なイホど無駄な戦いなのに)
ガッ!ヂギィン!
勇者(君と剣を交わシテイると……なぜか、心が安らぐよ)
自然と頬が緩む。
勇者(そうか。誰かを倒そうトスる行為は、ソの誰かを求めている、ということなのか)
ギギッギィン!!
勇者(今私は求められている。倒すべき存在として求められている。私の生きてきた意味は、あった。私は君に倒されるために生まれてきたのか……)
???「負けるつもりなのかい?」
巻き角の少年は、草の上に座り勝負を観戦していた。
???「君は、本当にそれでいいのかい?」
204
--草原--
軍団長(ははは、憎しみか……。もはや些細なことだ)
左目<ナニ?>
軍団長(わかりきったことだった。憎んだ所で仲間は元に戻らない……)
左目<ソレデモ憎ンダノダロウ?自分ヲ認メテクレナカッタ彼女ニ思イ知ラセテヤリタカッタノダロウ?>
軍団長(あぁ。それは間違いない)
左目<ダッタラ>
軍団長「だがそれ以上に俺は、勇者になりたかったのだ!!」
軍団長は左目を掴む。
左目<!?貴様!ナニヲスル!!>
軍団長「お前は邪魔だ!!消えろ!!」
ぶちぶちいぃ!!
軍団長は体の一部となっていた魔王の骨を引きちぎった。
ぼたっぼたたっ
軍団長「はっ、はっ……お前の力を借りていたんじゃ……意味が無い。こんな最高の戦いに、俺ら以外のものが入ってくるな」
左目<オノー……レ>
軍団長「……心配せずとも、仲間の仇は取る。それが砂漠の風の首領だったものとしての務めだ」
205
--草原--
勇者(いイよ)
???「……」
勇者(いインだよ)
???「……」
勇者(私は全力デ戦ッて負けるンダ)
???「……でも」
勇者(あリガとう、トリガー)
???改めトリガー「」
勇者「でも私は、勇者として全ての力をぶつける!!」
ぶわぁあ
勇者から黒いオーラが消えた。
勇者「こんなにも強く、誰かから思われたことはなかったから」
206
--草原--
軍団長改め盗賊「……ははは」
勇者「……ふふふ」
盗賊「俺は道を間違えた」
勇者「私は選択を間違えた」
盗賊「でもそれはそれで」
勇者「悪くは無かったのかもしれない」
盗賊はナイフを引いて構える。
それを見た勇者は大剣を上段に構える。
盗賊「……俺は次に全てをかけるぞ」
勇者「……私も次で最後だ」
盗賊「……」
勇者「……」
207
--草原--
ジリジリ
少しずつ二人の距離は近くなり、
盗賊「……」
勇者「……」
二人の顔に真剣さが増していく。
ダッ
二人は駆けだした。
盗賊、勇者「「奥義!!」」
交錯する瞬間、二人は自分のとっておきの技を繰り出した。
盗賊「盗賊ブレエイイイイイドオオオ!!」
勇者「勇者スラッアアアアシュウウウ!!」
ズバシャアアアアアアアアアアアア!!
二人の距離はやっと0になった。
208
--草原--
盗賊「……」
勇者「……」
ツー
口から血を流し、
ドサリ
重なり合うようにして崩れる二人。
盗賊「ゴブっ……」
勇者「がはっ……」
二人は同時に血を吐いた。
盗賊「は、ははは……やった……やったぞ……俺は、勇者を」
盗賊は無い右腕でガッツボーズを取る。
209
--草原--
勇者「づっ……」
盗賊「はぁ……はぁ……俺は勇者を倒し、遂に、勇者に……な……」
勇者「げほっごほっ!……盗賊?」
盗賊「……」
せき込みながら勇者は盗賊を見た。
勇者「とうぞ……く……」
盗賊「……」
勇者「……」
勇者は血濡れた右手で盗賊の頬に触れる。
踊子「……」
小さい丘の上で、踊子だったものは横たわっていた。
踊子「……」
ピクリとも動かずに、まるで彼らの戦いを見守っているかのように。
踊子「……」
瞳はもう随分と開いていない。
210
--草原--
勇者は泣いている。
トリガー「無駄なことなんだよ。今の君が死ぬわけがない」
勇者は鳴いている。
トリガー「一度魔王になったら存在は魔王として固定される。魔王の力を使おうが使うまいが、勇者以外の存在に倒されるわけがない」
勇者は啼いている。
トリガー「……」
勇者はないている。
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