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101
--失われた王国、塔--
盗賊「あの時俺はお前を見捨てたんだ……。なにが仲間だよ!!誰一人かけることなくって言ったのにさ!!最低だよ俺……確実にお前がやられちまうと思ったけど、それでも俺は勇者を優先したんだ」
シャーマン『そ、それの何が悪い!!む、むしろあの時助けに来ていたらおでは盗賊を軽蔑してたぞ!!』
盗賊「……かもしれない……でもさ。俺、結局何も出来てない……。知ってるか?お前が死んだあと賢者さんと踊子さんがパーティから脱退したんだ。あれも……俺のせいだ」
シャーマン『……』
盗賊「勝手に自分の意見ばっか言っちまった。自分だって同じようなことしてるのにさ」
シャーマン『と、盗賊……』
盗賊「結局、勇者の意見に従うとか言っておきながら、俺は勇者の意思を無視して連れて逃げたんだ。そんなことしたら南の王国がどうなるのかわかってたくせに」
盗賊はふるふると涙を流し始める。
盗賊「俺は勇者を救うためにたくさんの命を犠牲にした……。そして自分が勝手にやったことなのに、勇者の『ために』なんて言ってる俺が弱くて情けなくてむかつくんだ!!」
--失われた王国、塔--
盗賊「あの時俺はお前を見捨てたんだ……。なにが仲間だよ!!誰一人かけることなくって言ったのにさ!!最低だよ俺……確実にお前がやられちまうと思ったけど、それでも俺は勇者を優先したんだ」
シャーマン『そ、それの何が悪い!!む、むしろあの時助けに来ていたらおでは盗賊を軽蔑してたぞ!!』
盗賊「……かもしれない……でもさ。俺、結局何も出来てない……。知ってるか?お前が死んだあと賢者さんと踊子さんがパーティから脱退したんだ。あれも……俺のせいだ」
シャーマン『……』
盗賊「勝手に自分の意見ばっか言っちまった。自分だって同じようなことしてるのにさ」
シャーマン『と、盗賊……』
盗賊「結局、勇者の意見に従うとか言っておきながら、俺は勇者の意思を無視して連れて逃げたんだ。そんなことしたら南の王国がどうなるのかわかってたくせに」
盗賊はふるふると涙を流し始める。
盗賊「俺は勇者を救うためにたくさんの命を犠牲にした……。そして自分が勝手にやったことなのに、勇者の『ために』なんて言ってる俺が弱くて情けなくてむかつくんだ!!」
102
--失われた王国、塔--
盗賊「俺があがいたことで何かが変わるわけじゃない……物語はすでに緩やかにバッドエンドへと向かっている。いい方向へ持っていく手立てなんて全くなしだ!!俺はただがむしゃらに走ってるだけ……」
勇者「……」
盗賊「……世界全部が敵なんだ……そして……そんな大それたことをしても、勇者一人救える保証がないんだ……」
シャーマン『……』
盗賊「どうしようもない完全に手詰まりな状態で、もう何をやっていいのかわからない!!無理に明るくふるまってはいるけど、元々ニートだった俺の精神はいつもガクブルなんだよ!!」
勇者「とう、ぞく……」
盗賊「それでも勇者を失いたくないんだ!!」
勇者「!!」
シャーマン『お、おでの知ってる盗賊は、例え微かな望みでも望みがあるなら最後まであきらめなかった!!』
盗賊「!!」
103
--失われた王国、塔--
シャーマン『お、お前は偽物なのか!?おでの知ってる盗賊は違うぞ!?どんなにビビっててもちゃんと意思を貫くすごいやつなんだ!!』
盗賊「……っ!」
シャーマン『世界が敵だからなんだ!!バッドエンドしかないからなんだ!!最後まで頑張ってみろよ!!死んで土になるその時まで諦めるな!!』
盗賊「!!」
その時、盗賊には確かに闘士が見えた。
盗賊「……はは……」
そして、
盗賊「……ははは……俺もー頭んなかぐちゃぐちゃで何言ってんのかわからなくなってきた…………そう、だよな、諦めるの、早すぎたよな」
シャーマン『ち、違う!!あ、諦めるなと言ってるんだ!!』
盗賊「!……すまねぇ……その通りだ」
シャーマン『……』
盗賊は涙を拭う。
盗賊「はぁ……ありがとう。やっぱ闘士と喋るのはいいなぁ」
シャーマン『……目は……覚めたか?』
盗賊「……あぁ!!そして本当にごめん。助けてあげられなくて、見捨てちまって、本当にごめん」
シャーマン『む、む?ま、またそのことを……まだ喝が必要か?』
盗賊「いや、俺なりのけじめのつもり。これからが第二……いや第三の人生の始まりだ。弱っちい俺は今日を持って死んだ」
シャーマン『……そうか』
ニヤリと口角をあげるシャーマン。
盗賊「……しっかり守るよ。死神にだって渡すもんか!!」
シャーマン『よ、よし!!じゃあケツを出せ!!』
盗賊「……ん?」
シャーマン『さ、最後の喝を入れてやる!!』
盗賊「え、ちょ、ま、や、やめ、ええええええああああああああああああああ!!」
アーッ!!
104
--失われた王国、塔--
シャーマン「ふむ。どうやらすっきりしたようだね」
盗賊「……体的にはそうでもないんですよね。また痔の薬を買う日々が始まるお……」
てゆうか女性の体なのに、どの部分が俺を貫いたのだろう、と盗賊は思う。
盗賊(……気力があればなんでもできる、ってことを闘士なりに実演してみたんだろうか)
不器用すぎんだろ、と盗賊は笑った。
シャーマン「ほら用が済んだなら行け。私は眠い」
盗賊「ありがとうございました!!お礼に今度働きにくるからさ!!じゃ!!」
盗賊は駆け足で部屋から出ていった。
シャーマン「……なんだ?結局お前さんも呼び寄せて欲しいのか?」
勇者「……ばれてましたか」
勇者は目じりを拭う。
105
--失われた王国、塔--
勇者「その魔法……嘘、ですよね?」
シャーマン「どうして、そう思う?」
勇者「霊魂なんて、存在しないですから」
シャーマン「ふむ」
シャーマンは頭をぼりぼりとかいて天井を見る。
シャーマン「なんとも言い難いな。まぁ、そうだな私の魔法のネタをばらしてやろうか」
勇者「お願いします」
シャーマン「私が受信しているものは、言わば残留思念というやつに該当するのだろう。故に死後どれだけ過ぎたかが非常に重要になってくるのだ。だからお前さんの母親と話をしたい、というのはどの道叶えられなかったわけだ」
勇者「残留思念……」
シャーマン「残留思念とは死ぬ直前に一番強い想いを抱いていたことがその場所にとどまるのだ」
勇者「強い想い……」
シャーマン「だからあながち間違いとは言いたくないな。さっきの闘士とやらの考えていたことは全て本当だった……と私は思っている」
勇者「……」
シャーマン「彼は自分が死んだことで仲間の重荷になるのではないか、そして盗賊がちゃんと勇者を守りきることができるだろうか。そんなことを考えながらに死の瞬間を過ごしていたんだ」
106
--失われた王国、塔--
シャーマン「どういうものを霊魂と呼んだらいいのか私にはわからない。だからなんともいえないし、この魔法は完全な嘘とも言えないわけだ」
勇者「なるほど……すいませんでした失礼なことを言って……」
シャーマン「いいさ慣れっこだ。それより早く出ていってくれないかな。本気で私は眠い」
勇者「あ、は、はい。じゃあありがとうございました!!」
そして勇者は部屋から出ていった。
シャーマン「……やれやれ。若いというのは羨ましくもあり、大変でもあるな」
そうしてシャーマンは深い眠りの中へといざなわれていった。
107
--失われた王国--
盗賊「あっ!!もうどこ行ってたんだよ!!いい歳して迷子とか恥ずかしくないのか!?」
勇者「むかっ!?……なによさっきはビービー泣いてたくせに……」
ぼそりと呟く勇者。
勇者(まぁでも……それ以上に)
勇者はたまらずにやにやしてしまう。
勇者(まぁ仕方ない。私がお姉さんなんだから我慢してやるか)
盗賊と勇者は橋の上。
盗賊「も、もうどこにもいかないでよねっ!?ほ、ほらっ!!」
勇者「ツンデレきもい!!」
勇者は差し出された手を
盗賊「……あれ?」
瞬きもしていない。
注意が他にいったわけでもない。
でも
勇者が消えた。
108
--失われた王国--
盗賊「な、な!!ゆ、勇者どこだ!?」
盗賊は慌てて周囲を探す。
???「ここだ」
盗賊「!?」
塔の天辺に彼は立っていた。脇に勇者を抱えて。
盗賊「……人造勇者か……」
???「あぁ、その通りだ。俺は最強の人造勇者、カブト。天の道を行くものだ」
盗賊「カブト……」
???改めカブト「勇者討伐のために参上した。目的のためならば手段は選ばん……といいたいところだが、少しだけお前達に興味が出てきた」
盗賊(!!……どこからか観察していたのか?)
カブト「もし……自分の覚悟を貫く自信があるのなら、今夜砂漠の迷宮に一人で来い。俺に勝てばこいつは返してやろう」
盗賊「なっ!」
そしてカブトは音も無く姿を消した。
盗賊「……くそ」
109
--失われた王国--
ダダダダダ!!
護皇「おうお帰りぜよ。あれ?貧乳のお譲ちゃんはどうした?」
盗賊「さらわれた!!砂漠の迷宮ってどこにあるんだ!?」
盗賊は自分の装備を掴むと護皇に詰め寄った。
護皇「さらわれたとは穏やかじゃないなぜよ。まじかぜよ」
盗賊「いいからさっさと場所教えろよ!!」
護皇「……余裕も無いみたいだな。ここを出てずっと東だ。10kmほど砂漠を歩くぞ」
盗賊「さんきゅっ!!」
護皇「待て、これを持ってけ」
護皇は盗賊にコンパスを渡した。
護皇「砂漠コンパス。これがあれば確実に迷うことなく行けるはずぜよ」
盗賊「……すまねぇ!!移動速度上昇レベル4!!」
盗賊は疾風のように走って行った。
護皇「やれやれ若い頃の俺のようだぜよ」
110
--砂漠--
盗賊「迷ったし!!」
--失われた王国、塔--
盗賊「俺があがいたことで何かが変わるわけじゃない……物語はすでに緩やかにバッドエンドへと向かっている。いい方向へ持っていく手立てなんて全くなしだ!!俺はただがむしゃらに走ってるだけ……」
勇者「……」
盗賊「……世界全部が敵なんだ……そして……そんな大それたことをしても、勇者一人救える保証がないんだ……」
シャーマン『……』
盗賊「どうしようもない完全に手詰まりな状態で、もう何をやっていいのかわからない!!無理に明るくふるまってはいるけど、元々ニートだった俺の精神はいつもガクブルなんだよ!!」
勇者「とう、ぞく……」
盗賊「それでも勇者を失いたくないんだ!!」
勇者「!!」
シャーマン『お、おでの知ってる盗賊は、例え微かな望みでも望みがあるなら最後まであきらめなかった!!』
盗賊「!!」
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--失われた王国、塔--
シャーマン『お、お前は偽物なのか!?おでの知ってる盗賊は違うぞ!?どんなにビビっててもちゃんと意思を貫くすごいやつなんだ!!』
盗賊「……っ!」
シャーマン『世界が敵だからなんだ!!バッドエンドしかないからなんだ!!最後まで頑張ってみろよ!!死んで土になるその時まで諦めるな!!』
盗賊「!!」
その時、盗賊には確かに闘士が見えた。
盗賊「……はは……」
そして、
盗賊「……ははは……俺もー頭んなかぐちゃぐちゃで何言ってんのかわからなくなってきた…………そう、だよな、諦めるの、早すぎたよな」
シャーマン『ち、違う!!あ、諦めるなと言ってるんだ!!』
盗賊「!……すまねぇ……その通りだ」
シャーマン『……』
盗賊は涙を拭う。
盗賊「はぁ……ありがとう。やっぱ闘士と喋るのはいいなぁ」
シャーマン『……目は……覚めたか?』
盗賊「……あぁ!!そして本当にごめん。助けてあげられなくて、見捨てちまって、本当にごめん」
シャーマン『む、む?ま、またそのことを……まだ喝が必要か?』
盗賊「いや、俺なりのけじめのつもり。これからが第二……いや第三の人生の始まりだ。弱っちい俺は今日を持って死んだ」
シャーマン『……そうか』
ニヤリと口角をあげるシャーマン。
盗賊「……しっかり守るよ。死神にだって渡すもんか!!」
シャーマン『よ、よし!!じゃあケツを出せ!!』
盗賊「……ん?」
シャーマン『さ、最後の喝を入れてやる!!』
盗賊「え、ちょ、ま、や、やめ、ええええええああああああああああああああ!!」
アーッ!!
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--失われた王国、塔--
シャーマン「ふむ。どうやらすっきりしたようだね」
盗賊「……体的にはそうでもないんですよね。また痔の薬を買う日々が始まるお……」
てゆうか女性の体なのに、どの部分が俺を貫いたのだろう、と盗賊は思う。
盗賊(……気力があればなんでもできる、ってことを闘士なりに実演してみたんだろうか)
不器用すぎんだろ、と盗賊は笑った。
シャーマン「ほら用が済んだなら行け。私は眠い」
盗賊「ありがとうございました!!お礼に今度働きにくるからさ!!じゃ!!」
盗賊は駆け足で部屋から出ていった。
シャーマン「……なんだ?結局お前さんも呼び寄せて欲しいのか?」
勇者「……ばれてましたか」
勇者は目じりを拭う。
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--失われた王国、塔--
勇者「その魔法……嘘、ですよね?」
シャーマン「どうして、そう思う?」
勇者「霊魂なんて、存在しないですから」
シャーマン「ふむ」
シャーマンは頭をぼりぼりとかいて天井を見る。
シャーマン「なんとも言い難いな。まぁ、そうだな私の魔法のネタをばらしてやろうか」
勇者「お願いします」
シャーマン「私が受信しているものは、言わば残留思念というやつに該当するのだろう。故に死後どれだけ過ぎたかが非常に重要になってくるのだ。だからお前さんの母親と話をしたい、というのはどの道叶えられなかったわけだ」
勇者「残留思念……」
シャーマン「残留思念とは死ぬ直前に一番強い想いを抱いていたことがその場所にとどまるのだ」
勇者「強い想い……」
シャーマン「だからあながち間違いとは言いたくないな。さっきの闘士とやらの考えていたことは全て本当だった……と私は思っている」
勇者「……」
シャーマン「彼は自分が死んだことで仲間の重荷になるのではないか、そして盗賊がちゃんと勇者を守りきることができるだろうか。そんなことを考えながらに死の瞬間を過ごしていたんだ」
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--失われた王国、塔--
シャーマン「どういうものを霊魂と呼んだらいいのか私にはわからない。だからなんともいえないし、この魔法は完全な嘘とも言えないわけだ」
勇者「なるほど……すいませんでした失礼なことを言って……」
シャーマン「いいさ慣れっこだ。それより早く出ていってくれないかな。本気で私は眠い」
勇者「あ、は、はい。じゃあありがとうございました!!」
そして勇者は部屋から出ていった。
シャーマン「……やれやれ。若いというのは羨ましくもあり、大変でもあるな」
そうしてシャーマンは深い眠りの中へといざなわれていった。
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--失われた王国--
盗賊「あっ!!もうどこ行ってたんだよ!!いい歳して迷子とか恥ずかしくないのか!?」
勇者「むかっ!?……なによさっきはビービー泣いてたくせに……」
ぼそりと呟く勇者。
勇者(まぁでも……それ以上に)
勇者はたまらずにやにやしてしまう。
勇者(まぁ仕方ない。私がお姉さんなんだから我慢してやるか)
盗賊と勇者は橋の上。
盗賊「も、もうどこにもいかないでよねっ!?ほ、ほらっ!!」
勇者「ツンデレきもい!!」
勇者は差し出された手を
盗賊「……あれ?」
瞬きもしていない。
注意が他にいったわけでもない。
でも
勇者が消えた。
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--失われた王国--
盗賊「な、な!!ゆ、勇者どこだ!?」
盗賊は慌てて周囲を探す。
???「ここだ」
盗賊「!?」
塔の天辺に彼は立っていた。脇に勇者を抱えて。
盗賊「……人造勇者か……」
???「あぁ、その通りだ。俺は最強の人造勇者、カブト。天の道を行くものだ」
盗賊「カブト……」
???改めカブト「勇者討伐のために参上した。目的のためならば手段は選ばん……といいたいところだが、少しだけお前達に興味が出てきた」
盗賊(!!……どこからか観察していたのか?)
カブト「もし……自分の覚悟を貫く自信があるのなら、今夜砂漠の迷宮に一人で来い。俺に勝てばこいつは返してやろう」
盗賊「なっ!」
そしてカブトは音も無く姿を消した。
盗賊「……くそ」
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--失われた王国--
ダダダダダ!!
護皇「おうお帰りぜよ。あれ?貧乳のお譲ちゃんはどうした?」
盗賊「さらわれた!!砂漠の迷宮ってどこにあるんだ!?」
盗賊は自分の装備を掴むと護皇に詰め寄った。
護皇「さらわれたとは穏やかじゃないなぜよ。まじかぜよ」
盗賊「いいからさっさと場所教えろよ!!」
護皇「……余裕も無いみたいだな。ここを出てずっと東だ。10kmほど砂漠を歩くぞ」
盗賊「さんきゅっ!!」
護皇「待て、これを持ってけ」
護皇は盗賊にコンパスを渡した。
護皇「砂漠コンパス。これがあれば確実に迷うことなく行けるはずぜよ」
盗賊「……すまねぇ!!移動速度上昇レベル4!!」
盗賊は疾風のように走って行った。
護皇「やれやれ若い頃の俺のようだぜよ」
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--砂漠--
盗賊「迷ったし!!」
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